みーさんからご覧になれば、人はみな、お友達のひとりやふたりは持っているようにみえるでしょう? 私が年を重ねてつくづく見みえたことのひとつに、案外、世の中、知人はいても友人はいない人が多い、ということです。
知人と友人の境界をどこで引くかにもよりますが、数人で、あるいはグループで、よく食事やお茶会をしている楽しそうな人たちも、よくよく見ると義理の付き合いだったり、仕方がないから付き合っている、といった場合も多々あります。
いつも一緒に行動しているママたちの会話が、「主人が次は、ベンツに乗り換えようと言うの」「あら、うちは00(外車の名前)にすると言ってるわ」「主人の会社(有名企業)がね……」「あら、うちの(夫の会社のこと)会社では……」。
相手を褒めたり感心したりする言葉もなく、お互いが一方的に夫の肩書きを笠に着ての、ミエの張り合いです。ヤングママに限らず、この種の会話しかできない“お友達関係”は結構多いのです。「嫁が××大学出でして」「あら、私どもの嫁は、△△商社出ですのよ」。これらはドラマではなく、本当によく聞く会話なのです。
外見は楽しそうでも、うらやましい友人関係を築いている人ばかりではありません。こんな会話で会食するくらいなら、私ならひとりでインスタントラーメンを食べているほうが、よほどおいしいと思うのですが……。傍らに人がいても心を通わせていない人は、ひとりでいる人よりずっと孤独だと思います。
私はママ友がひとりもいません
私はママ友がひとりもいませんでした。大家族を切り盛りしていましたので、ママ友を作る一番のきっかけとなる幼稚園のお迎えや小学校の保護者会は、ひとりで帰園させたりぎりぎりに行って走って帰って来る状態でしたから。
親同士の仲が良いと子供の仲もスムーズで、その逆もあるようでしたが、なんと思われようと、できないことはできません。仲良しグループで親子パーティやハイキング、などの話がたまに漏れ聞こえ、ちょっと心苦しく感じたこともありましたが、それを悩むほどのヒマもありませんでした。
子供は無邪気で、友達を作るにも理屈はいりません。子供の誕生パーティに子供のお友達を招いたり招かれたり、親から離れたハイキングや体験旅行への参加など、ママ友がいなくともほかにいくつも企画はあり、不自由しませんでした。私にママ友がいなかったことは、わが家の子供たちにも多少の影響は与えたでしょうが、世界はママ友で動いているわけではありませんし、子供はもっと別の次元で仲良くなっていくものです。
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