LINE、中国WeChatと体力勝負 アジアの「メッセージ・通話アプリ」2強対決

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スタンプを現地化

アジア発メッセージアプリの人気の秘密は、さまざまなスタンプだ。価格は1.99ドル(約200円)前後で、各国の文化に合わせて現地化したものが多く、スペインではFCバルセロナの選手ら、インドネシアではイスラム教のラマダン(断食月)をテーマにしたスタンプが提供されている。

スペイン出身のアニメーターで東京在住のLINEユーザー、マリナ・クーソさん(29)は、「スペイン人は体や表情で感情を表現するのが好きで、スタンプはとてもクール」とし、「恋人がかわいいスタンプを送ってきたら、いつまでも怒っていられない」と、その魅力を語る。

一方、星占いや天気予報など、LINEに盛り込まれたさまざまな機能は一部のユーザーにとっては魅力的かもしれないが、過剰に感じるユーザーもいるかもしれない。

対照的に、WhatsAppは年間使用料0.99ドルでスタンプ機能はないが、ユーザーは1日平均100件のメッセージを送信。これはLINEの平均30件を大きく上回っている。

マーケティング資金

ほとんどのメッセージアプリは、獲得したユーザーからの収益化を事実上先送りしている。したがって、特にシェア拡大へのハードルが高い米国市場では、現在のマーケティング戦略が最終的に高くつく可能性もある。

米国では、WhatsAppさえユーザー数を思うように伸ばせていない。オナボ・インサイツによると、同アプリをダウンロードしているスマホユーザーはわずか10%で、フェイスブックのメッセンジャーに比べるとシェアは半分だ。

アジアの2強では、株式時価総額が約1000億ドルのテンセントが展開するWeChatが、より潤沢な資金を持っているとみられる。同社の第2・四半期決算は、WeChatのマーケティング費用が圧迫して利益が市場予想を下回った。しかし、劉熾平(マーティン・ラウ)総裁は、今年こそ積極投資を行う年だと強気だ。

一方、アナリストらは、LINEが米国でテレビ広告を始めるのは新規株式公開(IPO)後になるだろうとみる。東京を拠点とするテクノロジーコンサルタント、セルカン・トト氏は「インドネシアやスペインではテレビ広告を打てるが、同じことを米国でしたいなら、かなりの資金を用意する必要がある」と述べた。

(原文:Sophie Knight、Paul Carsten、Jinsol Lee、翻訳:橋本俊樹、編集:宮井伸明)

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