森信親・金融庁長官の「後任」に期待すること

在任3年で個人の資産運用は劇的に変わった

渋澤:それでもいいと思いますよ。森長官のような理想を貫ける人が業界の悪しき慣習をぶち壊した後、リアリストが登場して全体を調整する。流れとしては悪くないのではないでしょうか。だって、ずっと厳しい人ばかりが続いたら、逆に狡猾な連中は抜け穴を探そうと必死になるし。

中野:まあ、そうですね。でも、私はあと1期、続けて欲しかった気もします。

渋澤:森長官のセカンドキャリアはどうなるのでしょうか。

「事を成し遂げよう」という人が少なすぎる

中野:官邸に入るといううわさはありますね。

藤野:金融担当で内閣入りという話がある一方で、米国の大学から教授のオファーもあるみたいですが、どちらが本当なのでしょうね。もしくは「第3の道」があるのかどうか。

渋澤:日銀総裁って、どうですか(笑)。

中野:ないでしょう(笑)。日銀総裁になったとしても、今はできることが限られます。いや、何もないといっても良いくらいでしょう。そのくらい、日銀の政策遂行の選択肢は狭まっています。とはいえ、森長官の中では、「まだやり切っていない」という忸怩(じくじ)たる思いはあるのかもしれません。

藤野:省庁のトップって、大体において任期が2期2年と決められていますが、これでは何もできないと思います。まあ、というかトップに就くというのは、それで自分が組織を動かして何かやり遂げようとするよりも、あがりのポジションということで、自分の任期中は大過なくこなしたいという人が多いのではないでしょうか。

企業の社長だってそうですよ。ベンチャー企業のように自分が立ち上げたビジネスを大きくしていく経営者は別ですが、大企業に一社員として入社し、順調に出世して社長にまで上り詰めた人って、その時点で成功者だから、さらにリスクを取って何か大きなことを成し遂げようという意識が希薄です。いや、社長ではなく、取締役になった時点で成功者だと思って、残りは消化試合だと思っている人が結構いますよ。

中野:そういう会社はヤバイですね。

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