みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループという3メガバンクが、大規模なリストラ案を打ち出してほぼ1カ月。半年や1年という短期間ではないものの、これから合計で3万人を超える規模の労働力削減が行われます。事実上の大リストラの裏にあるのは何か。草食投資隊の3人が、今の銀行の置かれた苦しい状況を解説、未来を予測します。
このままでは、将来はもっと大変なことになる?
中野:いよいよ来たな、という感じですね。みずほフィナンシャルグループをはじめとして、3メガバンクが大規模リストラを打ち出してきました。今のところ出ている数字としては、みずほフィナンシャルグループが1万9000人規模、三菱UFJフィナンシャルグループが9500人規模、三井住友フィナンシャル・グループが4000人規模の労働力を、それぞれ削減する計画です。
渋澤:ひと昔の感覚ではありえないことでしょうが、今の時代では当然の流れでしょうね。
中野:新聞などでも報道されていましたが、金融とITが融合した「フィンテック」が広がり始めて、いよいよ銀行も人減らしをするしかないということですね。みずほフィナンシャルグループは今後10年をかけて1万9000人を削減するということですが、正直、これらの措置そのものは、見かけの数字ほどは大したことはない話ですね。
むしろ、これからもっとひどい状況になっていくでしょう。寂しい話ですが、銀行の店舗に行くと、「この人、何のためにいるの?」という銀行員を大勢見かけます。今だってそうですが、これからは家賃の振り込みなんて窓口は不要で、すべて自動化されるでしょうし、店舗をウロウロしているだけのおじさん行員なんて、はっきり言って無用です。銀行のビジネスモデルは大転換期に突入したということでしょう。
渋澤:メガバンクでも地方銀行でも、優秀な人は大勢いるのです。しかし、それを生かし切れていない組織体制の問題はありますね。
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