森信親・金融庁長官の「後任」に期待すること

在任3年で個人の資産運用は劇的に変わった

「つみたてNISA」などで日本の個人資産運用の流れを大きく変えた森金融庁長官が7月で退任するという報道がなされている。「森金融庁」は過去と何が違ったのか。「もう1年」はあるのだろうか(撮影:今祥雄)

資産運用業界を大きく変える原動力となった、森信親(のぶちか)金融庁長官が、この7月で退任するという報道がなされています。森長官は、金融機関の現状とあるべき姿などを論じた「金融モニタリングレポート」の公表を通じて金融業界に大きな楔を打ち込む一方、「フィデューシャリー・デューティー」(受託者責任)の徹底化や「つみたてNISA(少額投資非課税制度)」の創設など、個人の資産運用について多くの功績を残しています。資産運用業界の一員として、草食投資隊はこの3年間の「森時代」をどう考えているのでしょうか。

過去を否定してまで変わろうとしたのは「森金融庁」だけ

渋澤:いよいよ森金融庁長官が退任という報道が出ていますね。

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藤野:後任は遠藤俊英監督局長という報道ですね。

中野:一部ではもう1期続投といううわさも出ていましたが。

渋澤:3期続投でさえ異例と言われましたからね。でも森金融庁長官の考えは、草食投資隊と同じベクトルだったので、もう少し続投していただきいという気持ちはあります。

中野:そうですね。森金融庁長官は長官に就任される前から、フィデューシャリー・デューティーの大切さをアピールし、私たち草食投資隊が発信してきたことは正しいと評価してくださいました。正直、それには驚いたし、報われた気持ちにもなりました。

何よりもすばらしいのは、理想主義を貫いたことでしょう。ゴールを高く設定し、妥協を許さなかった。もう1つは、長官自ら金融行政の至らなかった部分を自己反省したうえで、金融庁の組織体質を変えてきました。日本に省庁は数多くありますが、自分たちの過去を否定してまで変わろうとしたのは、金融庁だけでした。金融業界を変えるためには、まず自分たちが率先して変わらなければならない。それを口だけでなく、実践して見せたところに、森長官のすばらしいところがあると思います。

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