アラフォー女子3人がチーム起業で得た自由

漠然とした不安を抱く女たちの働き方を導く

読者密着型のメディアだった『日経ウーマン』の記者時代、田中がひたすらコツコツと会って話を聞いていたのは、会社勤めをする普通のOLたちだった。退勤後に電話で話を聞いたり、そのまま一人暮らしの自宅まで上がらせてもらったりする密なコミュニケーションを通して、彼女たちが語ったのは「漠然とした不安」。恋愛、結婚、出産、キャリア、おカネ、老後など、一つひとつは確かな形を持たないまま、今のままでいいのだろうか、自分はやっていけるのだろうかというモヤモヤを彼女たちは抱えていた。

その後に配属された『日経キッズプラス』では、子育て中の母親たちに会った。共働き女性も専業主婦もいたが、『日経ウーマン』読者の女性の延長上にいるかのように見えた彼女たちも、未婚を卒業したからといって悩みがなくなるわけではない。共働き女性は職場と家庭で忙殺され、専業主婦も「働きたい、でも今はできない」という悩みを吐露した。記者として女性のモヤモヤ感と向き合い掘り下げるうちに、田中は女性のキャリア支援の必要を痛感した。

転機は2011年の震災だった。「明日死ぬかもしれないし、それならやりたいことをやろう、と。人生にモヤモヤしている女性たちの問題解決を、キャリア面から支援しようと思ったんです」。その数カ月後には、上司に退職の話をしていた。その頃、ちょうど若手女性の社会起業家たちに会う機会が重なっていたことも良い影響だったかもしれない。在職中にキャリアカウンセラーの資格を取得し、2012年に独立。フリー編集者、ライターとして活動する中で、大学生や女性を対象にキャリアコンサルティングの場数を踏んだ。

「好きな時間に好きな場所へ行ける自由、私はこれが欲しかったんだと感じました」。コンピュータと机の並ぶ職場に毎日通い、座りっぱなしで仕事するのはストレスだったのだ、と自由になってから気づいた。もちろん、キャリアの不安がなかったといえばうそになる。あの頃、田中自身も「あの女性たちのモヤモヤと共鳴したのかもしれない」。女性3万人分の生の声に共鳴した結果、田中は自分の人生を切り開いた。

「チーム創業」へ

田中が記者時代、出会った有識者が教えてくれた。「叶(かな)うという字は口に十回と書く。夢を叶えたいなら、とにかくその夢を口に出しなさい」。何度も口にし、宣言することで、自分のしたいことが人に伝わる。すると周りの人がつなげてくれる。Waris創業の3人も、そうして出会った。

Waris創業時の3人。左から米倉史夏氏、田中美和氏、河京子氏(写真:田中さん提供)
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