働き女子3万人のモヤモヤ感に共鳴
「雑誌記者時代は、家に帰れず編集部の机に突っ伏して寝るのはザラ。『日経トレンディ』編集部にいた頃は白物家電担当で、住んでいたワンルームにも洗濯機の試験機が所狭しと並んだ中に体をねじ込んで寝たり、撮影中に掃除機を握りしめたまま気を失って、カメラマンさんに起こされたり」
ふくふくとしたフグ天を頬張りながら、かつて身を置いたマスコミ業界の苦労話を朗らかに語る田中美和。彼女にはそんな話をするときにも悲痛さがまったくにじまない、不思議な魅力があるのだった。潔く切ったベリーショート、おっとりとした雰囲気からは、まるで向日葵(ひまわり)のような陽性のオーラだけが立ちのぼる。他人を緊張させない特技を持つこの女(ひと)は、『日経ウーマン』編集者時代、取材・調査を通じて延べ3万人以上もの働く女性の声に接してきた。
田中美和、1978年生まれ。雑誌記者としてのキャリアを経て、2013年にキャリアエージェントWarisを米倉史夏、河京子と共同創業した。女性の高学歴化と「社会進出」の結果、いま世の中には高度な技術や知識を擁しながら自由で柔軟な働き方を望む女性たちがたくさんいる。そういったプロフェッショナル女性側からの視点を大切にするWarisは、フリーランスをはじめとする、女性の自由な働き方を応援するベンチャー企業だ。
育児や介護、海外転勤などをきっかけにやむなく離職してしまったものの、もう一度キャリアを再構築したいと願う女性の復職支援や、専門職フリーランス女性と企業とのマッチングを手掛け、キャリアコンサルティング分野で異彩を放つ。
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