「新入社員の指導」で疲弊しないためのヒント 「謝りたくないので辞めます」が増えている

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そもそも自分が悪いと思っていないから謝らないという相手に対して、どう接していけばよいのでしょうか。謝ることを負けと認識し、自分自身を否定されたと感じて、そんな職場にはいられないという思考は、自分が悪くないことを認めてほしいという裏返しでもあります。そもそも、謝れない人は、周りから孤立していることも多いといえます。謝れない人に対して、周囲の人間は、我慢を強いられることも多いため、表面上の付き合いになりやすく、関係は長続きしません。すると、余計に人から認められたい気持ちが強まるのです。

そういった相手に対して、なぜ謝れないのかと問うても、責めているようにしか相手に伝わらず、逆効果です。

コミュニケーションツール手段の1つ

謝罪は、勝ち負けではなく、コミュニケーションツールの手段の1つです。人の話をきちんと受け止められるスキルが関係性を円滑にするものであるように、謝罪スキルもビジネススキルの重要なツールであること、そして、よりよい関係性を育むための1つの方法であることを伝えられるとよいかと思います。

なんでも褒めればよいというわけではありませんが、謝ることができたことに対して、労いも必要です。

ハラスメントと指導は別物です。仕事のうえでやってもらわなければ困ることは、怖がらずに毅然として対応していただければと思います。

こちらも感情的に応戦してしまう傾向があると問題の論点がそれてしまいます。また、面倒だからと言って何も言わずに済ませてしまうと、問題を先送りするだけになります。

気になることは、目をつぶらずにその場ではっきりと伝えることも大切です。「このくらい仕方ないか」と先送りにすれば、ますます問題は大きくなります。そうなれば、労力はさらにかかり、負荷を強いられることを認識して、問題が散見された時点で対処する姿勢を持っていただければと思います。

新しい人材に対しての教育や指導で疲弊している方々への労いとエールを込めて、現状の1コマをお伝えしました。

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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