米国のコメディアン、ロザンヌ・バー氏が演じる同氏と同名の役柄は、労働者階級でトランプ米大統領の支持者という設定だ。米ABCテレビは、そのバー氏が主演するコメディ番組『ロザンヌ』を急きょ、打ち切った。問題になったのはツイートだ。
バー氏はツイッターで、オバマ前政権で大統領顧問を務めたバレリー・ジャレット氏をイスラム組織「ムスリム同胞団」と映画『猿の惑星』の子孫だと書いた。
トランプ氏も反トランプ陣営も的外れ
番組打ち切りにトランプ氏は予想どおり反応した。しかし、その言い分はかなり奇妙なものだった。トランプ氏は、ABCテレビは自分に対して「ひどいこと」を言ってきたにもかかわらず、これまで自分には一度も謝罪がない、とツイート。娘のイバンカを口汚くののしった別のコメディアン、サマンサ・ビー氏もクビにならなければならない、ともツイートしている。
トランプ氏に批判的な人々は、「ロザンヌ」を偏見に満ちあふれた労働者階級の典型と見なしていた。バー氏の番組が打ち切りになってよかったと考えている人は多い。
だが、トランプ氏も、反トランプ陣営も、どちらの反応も的外れだ。バー氏は風変わりな意見を口にすることが多く、これを何らかの政治的主張に結び付けるのは不可能だ。なのに、トランプ氏はビー氏をバー氏と同列に扱っている。両者の間にある決定的な違いを無視しているといわざるをえない。
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