友達ゼロ人!「妻依存オジサン」の厳しい余生 人は年を取るほど友人を作りにくくなる

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ニッセイ基礎研のレポートによれば、「特に男性において、高齢期になってから新たな友人を作ろうとする人が日本は少ない、また作れる機会が他国よりも日本は少ない。日本人は非常に律儀であり、他人に対する配慮や気兼ねの意識が強く、また身内(仲間)かそうでないかで極端に態度が異なる(=ウチ・ソト文化)と言われている。

こうした日本人特有の意識(精神性)が、高齢期に新たに友人を作るという行為を抑制してしまっているのかもしれない。

長年の人生経験から、人間関係の煩わしさばかりが強調される結果、高齢になって新たな友人を作ることを妨げてしまっているといったことも考えられる」(要約)と分析している。

「妻依存」夫が増えている

こうした「友達のいない既婚男性」が頼りにするのが妻である。筆者の周りでも、妻以外に打ち解けて話す人がいないという「妻依存」夫が増えている。「愛妻家」に見える一方で、実は妻が会社以外の社会との唯一の窓口、という側面もある。

都内の30代半ばの会社員女性は夫が「妻依存」ではないかと悩んでいる。同世代の夫は、趣味もなく、一緒に外出する友人も少ない。誰かが飲み会を企画してくれれば、うれしそうに参加するが、自ら声をかけたりするのは億劫だと言う。だから休みの日はつねに家にいて、夫婦で何かしようと言ってくる。

妻は趣味の時間も欲しいし、友人とよく出掛けるのだが、夫を置いて出掛けるのも心苦しい。たまには一人の時間も欲しい。これからずっと、「妻だけが友達」という人生を送り続けるのだろうか。妻としては将来を考えると、なんだか気が重い。

今年55歳を迎えた男性はテレビ局の制作の第一線で、昼夜を問わず働き続けてきたが、最近、その現場を離れ、子会社に転籍した。子会社では、役員という立場だが、なるべく早く家に帰れ、と言われ、夕方6時ぐらいには帰途に就くことになる。

最近は「ジタハラ」(時短ハラスメント)などという言葉もあるらしいが、帰る時間を選ぶ自由を奪われるという意味では、まさに「ハラスメント」のように感じる。

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