「大型顧客」に左右される浮かれ企業の末路 たまに大金をくれるような人は危ない

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企業ができることは、「波がいつ下がるのかを仮説的に見極めておく」ということと、その波が割と短期的に収まりそうであれば、「なるべくアウトソーシングすること」の2点です。うまく頼めば外でやってくれそうな仕事は、なるべく外注で投げるようにしましょう。

また、成長している企業というのは、危険と隣り合わせにいます。報酬をたくさんくれる「大きいクライアントの存在」には気をつけなくてはいけません。

「毎日必ず100円くれるクライアント」の重要性

たとえば、毎日必ず100円をくれる人と、たまに1万円をくれる人がいた場合、1万円をくれる人のほうを大事に扱ってしまいがちです。1万円を連続でくれたりなどしたら、100円をくれる人のことなんて疎かになって、しまいには付き合いが面倒になって関係を切ってしまうこともあるでしょう。

けれど、事業をやる場合、「毎日必ず100円をくれる人」のほうを大事に扱わなくてはいけません。

僕の知り合いの経営者は、大金をくれるクライアントとは、あえて仕事をしないと決めています。なぜなら、そちらに時間を取られ、いざそのクライアントとの付き合いが終わってしまえば、一気に会社が傾いてしまうからです。つまり、依存することがわかっているし、長期的にどんどん下請けのようになってしまうことが見えているから、「じゃあ、初めから付き合わない」という選択を取っているんですよね。

確かに、大口のクライアントは、すぐに偉そうになります。「小さい会社のほうを大事にしろ」と言われても、普通の人間にはなかなか難しい判断だと思いますが、長い目で見れば、非常に賢い戦略です。

バッシングを恐れないでいると、トクをすることがあります。たとえば、匿名サイトを運営していると、「悪口を書くなんてけしからん」というクレームがくるようになります。そうすると、「2ちゃんねるはよくない」ということが世間で言われるようになるのですが、僕はそれをラッキーだと思っていました。

「悪評も評判のうち」ということもあって、知名度が上がってくれることも、もちろんメリットなのですが、それとは別に、バッシングをされると、「他社が参入してこない」というメリットもあるのです。クレームや悪評に耐えられる人は、僕が見るかぎり、そこまで多くないので、あえてそこに参入してくる人は多くありません。

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