「優秀な学生を取る」と思われる会社の共通点 得票上位企業のコメントに見る就活生の印象

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東京ディズニーランドは誰でも知っていると思うが、その運営会社が9位のオリエンタルランドだ。夢を売る超優良企業として、ここでも上位に名を連ねる。

ただ学生は、多くの学生が殺到する割に採用人数が少ないという採用実態を、よく理解している。群がる学生の中から、ひとつかみの優秀人材のみしか内定を得られない、と考えている。​​​​​​​​​​

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「倍率が高く、募集枠も少ない、と聞いたことがあるから」(筑波大学・文系)、「競争率が非常に高く人気だから」(新潟大学・文系)。

今回の調査では10位の企業は3社ある。そのひとつが博報堂で、選ばれた理由として、「最難関」や「高学歴」という言葉が使われている。抽象的で、電通の「東大」のような具体的な言葉はない。

「大手広告会社は最難関の印象があるからです」(早稲田大学・文系)、「選考を受ける学生自体、高学歴層の割合が高めな印象。かつ、博報堂で働いているサークルOBは、ずば抜けて優秀なため」(東京外国語大学・文系)。

日本を代表するトヨタは文系に人気

同じく10位のトヨタ自動車は、文系の得票数の方が多かった。そのせいかコメントを見ると、「日本を代表」や「世界的に有名」という言葉が並んでおり、技術力に言及するコメントがないことが意外だった。

「日本を代表する企業であるため、優秀な学生が集まると感じるため」(中京大学・文系)、「日本を代表するメーカーであり、効率的な生産を行うため、学生時代にレベルの高い経験をしたことが求められるので」(千葉大学・文系)、「世界のトヨタだから」(兵庫県立大学・文系)。

同じく10位の味の素は、理系のポイントが高いことが特徴だ。一般の就職人気ランキングでも、理系学生の人気は、明治グループ、味の素、ロッテ、森永製菓、森永乳業などの食品メーカーに集まっている。就職倍率が高いことは知れ渡っているようだ。

「非常に倍率が高く、就職偏差値も高い優秀企業であるから」(早稲田大学・文系)、「倍率が高いから」(名古屋工業大学・理系)、「倍率が高そう」(名古屋大学・理系)、「倍率が高いから」(東北大学大学院・理系)、「倍率」(金沢大学・理系)。

「優秀な学生が内定を取るイメージが最も強い企業」の上位を紹介した。人気や競争率もあるが、コメントからは、各社のイメージも結果に反映されているように思える。少しでも就活に役立てて頂ければ幸いだ。

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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