三菱鉛筆、古参のサインペン「ポスカ」の挑戦 30年選手のサインペンが新たな市場開拓に乗り出す先

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太字、中字、細字、極太とラインナップを拡大。そして極細が女子高生にうけた

プリクラのデコレーションという意外な使われ方を受けて、中高生を強く意識したラメ入りの新シリーズを投入する。さらに、女子中高生が髪をくくるゴムやシュシュで複数色をまとめて持ち歩くことに着目し、ペンの軸径を従来よりも8ミリ細く設計。束ねてもかさばりにくい「ドゥ!ポスカ」シリーズを発売した。今では、同シリーズは女子中高生の”必需品”ともいえる筆記具になっている。

 ユーザーの裾野は海外でも広がった。絵の具を使わず気軽にポスターカラー調に描ける点が、フランスを中心とした現代アートの芸術家の目にとまったのだ。2000年以降は海外販売を本格化し、欧州では美術用を意識して展開色も拡大。フランスでは画材としての地位を確立しつつある。

家庭用のターゲットは”リア充ママ”

女子中高生に芸術家と、メインユーザーを増やし成長してきたポスカだが、家庭での利用を広げるにあたって、新ユーザーとして見据えているのは、“リア充ママ”だ。リア充とは、プライベートや仕事(リアル)が充実している人、という若者用語。リア充ママは、子育てをしながら、家庭で子どもに向けたものを手作りし、ママ友達で交流する母親をさしている。

「今、就学前の子供を持つ母親の間で人気なのが、アルバム作りや木工作品の装飾、プレゼント用のリボンやマスキングテープにデコレーションすること。ポスカは、ビニールはもちろんリボンや木、石にも書ける」(加藤氏)と話す。

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