三菱鉛筆、古参のサインペン「ポスカ」の挑戦 30年選手のサインペンが新たな市場開拓に乗り出す先

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デコレーションのツールとしてどこまで拡大できるか

今年7月から活用シーンを載せた冊子を販売店に配布し、店頭で実演も行うほか、フェイスブックなどで活用事例を集める参加型イベントも開催し、家庭での利用促進に力をいれている。

 店頭の販促活動で加藤氏が驚かされたのは、「商品の説明をする前からポスカを上下に振る客の姿」だったという。通常のペンはキャップを開ければすぐ書ける。ポスカは書く前にインクをかくはんするため、まず振らなければならない。ところが、ママたちは「振る」ことをすでに知っていた。つまり、市場は違っても、ユーザーはつながっていたわけだ。

飛躍のカギを握る古参の挑戦

「このワンアクションが(ポスカが浸透する)ネックになると思っていた。だが、プリクラでポスカを使っていた世代が、ちょうど今、リア充ママになっている。一度はポスカを使ったことがあるから、自然に手が動く(ペンを振る)。思い出してもらえれば、もう一度、手にしてもらえるはず」と、加藤氏は家庭向けの広がりに自信を見せる。

これまで何度も新たなユーザーを取り込んできた古参のポスカ。オフィス用や学生向けに加え、家庭用でも筆記具を拡大できれば、閉塞感が漂う国内筆記具市場に新たな風を吹き込むことになりそうだ。少なくとも、古参の挑戦が三菱鉛筆のさらなる飛躍のカギを握っていることは間違いない。

鈴木 良英 東洋経済 記者

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すずき よしひで / Yoshihide Suzuki

『週刊東洋経済』編集部記者

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