国内損保・大手8社トップインタビュー--新商品の開発は進むか

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損保ジャパン 佐藤正敏社長
第一さんとはうまくいっているが今後は距離感含め考えなければ…

 再編の動きは、今はあまりえられないでしょうね。私どもの株主は36%くらいが海外投資家ですが、海外の圧力によって何かが動くということもないのではないでしょうか。合併は社内融和とかにすごく時間がかかります。やらなければならないことがいっぱいありますから。

(生保との組み合わせは)相手がある話ですから、それぞれの会社の意思決定が合致すれば、そういうことはあると思います。ですから提携という意味では、今、第一生命さんと非常にうまくいっていますし、この距離感でいったほうがいいのか、もっと密接にしたほうがいいのか。これは今後、考えていかなけばいけないと思っています。

国内は大手6社でほぼ寡占している状態で、それぞれが特徴を持った方向を目指さないといけません。従来、保険会社は事故に遭ったときに補_をすることによって、安全安心を提供してきました。ですが、今後はそれにプラスαをしたい。

たとえば、事故に遭わないようにどう予防したらいいのか、あるいは高齢化社会を迎えるにあたっては健康の維持が大事ですし、また長生きをしていくには生活の担保が必要となります。そのためにヘルスケア事業に取り組んだり、確定拠出型年金事業にも打って出ていたりするわけです。保、あるいは年金、ヘルスケアといった隣接分野は、まだまだ開拓の余地があるという現状認識を持っています。

損保ジャパンは、海外それぞれの市場でマジョリティを取る必要はありません。個々の国々で強いネットワークを持っている企業集団と合弁を作って、提携していきます。具体的にもいくつか話を進めているところです。これからは海外で経営していくための人を、もっと教育しなければいけない。今まではそういう機会がちょっと少なかった。だからこそ今、海外研修や海外の拠点に、どんどん人を派遣しようとしています。

当社は今年、12周年を迎えます。保険会社を創立した人たちは、福沢諭吉が日本に紹介した「ワンフォーオール、オールフォーワン」を、一つの理念としてやってきたわけです。この2年間、業界が批判にさらされる中で、もう一回、原点に立ち戻って行動していきたい。

私たちの仕事は、社会のインフラを支える仕事です。高齢化社会の中で、どう安心と安全を提供するのか。海外の勃興する中産階級を、どうサポートしていくのか。旗印とかビジョンを掲げて、社員に行動を促す時期だと思っているんです。

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