50歳を過ぎたら葬儀には行かないほうがいい 心のなかで故人と語り合うだけで十分だ

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もう一つ、50歳を過ぎ、60歳、70歳、とりわけ80歳過ぎになったら、葬儀の参列は遠慮したほうがいい。たいてい葬儀は冬か夏の厳しい季節だ。他人の葬儀に行って風邪をこじらせ、あるいは熱中症を患い、ひょっとすると、数カ月後に自分の葬儀を出さなければならないハメになるかもしれないからだ。

また、葬儀に真面目に参列したらしたで、遺影を見ながら、あるいは棺のなかに横たわる故人の顔をのぞき見ながら、いつ自分の番が来るかと思えば、気がめいってくる。

道徳的な物言いとしては「案内をもらった葬儀にはなるべく参列するべきだ」「葬儀にはなるべく出ないほうがいい、という主張は不謹慎だ」というものになるのだろう。その同調圧力に負けて、つらい思いをしている人も多いのではないだろうか。

だからこそ、あえて、断言したい。「50歳を過ぎたら、葬儀にはなるべく出席しないほうがいい」。

心のなかで故人と語り合うだけで十分

故人をしのぶのなら葬儀に参列せずとも、自宅で心静かに、しみじみと時間をかけて故人を思い起こし、心のなかで故人と語り合い、合掌するだけで十分なのではないかと思う。そのように思い起こし、語り合うことが、故人を「蘇生」させることにもなろう。加えて、自分自身の、いよいよ生きる活力も湧いてくるというものだ。

いずれにしても、自分自身の葬儀は可能なかぎり、小規模でしみじみと静かに行うよう、家族には申し伝えておきたい。また、なにより、他人の葬儀にもノコノコ行かないほうが、相手のためにも自分のためにもなる、ということである。

江口 克彦 一般財団法人東アジア情勢研究会理事長、台北駐日経済文化代表処顧問

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えぐち かつひこ / Katsuhiko Eguchi

1940年名古屋市生まれ。愛知県立瑞陵高校、慶應義塾大学法学部政治学科卒。政治学士、経済博士(中央大学)。参議院議員、PHP総合研究所社長、松下電器産業株式会社理事、内閣官房道州制ビジョン懇談会座長など歴任。著書多数。故・松下幸之助氏の直弟子とも側近とも言われている。23年間、ほとんど毎日、毎晩、松下氏と語り合い、直接、指導を受けた松下幸之助思想の伝承者であり、継承者。松下氏の言葉を伝えるだけでなく、その心を伝える講演、著作は定評がある。現在も講演に執筆に精力的に活動。

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