貯まる財布にまつわる「都市伝説」を検証する 貯めている人は本当にゴールドの財布なのか

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なお、お札を入れる順序には2つの説があり、手前のほうに一万円札を入れることでこれを崩すハードルが上がり、より使いにくくなるという人と、一万円札はそれだけ別の仕切りに入れ、見えないようにと分けておく人がいる。どちらにしても、一万円札よりは五千円札、五千円札よりは千円札、千円札よりは500円玉というように、おカネは小さく崩せば崩すほど使うハードルが下がるので、小銭がじゃらじゃら多い財布はおカネを浪費しやすい人ということだ。

その3 目的が明快なカードを厳選して入れる

先のスリムな財布にも通じるが、貯めている人は財布内のカードも厳選している。中にはキャッシュカード自体持ち歩かないという猛者も。生活費を下ろすのは月に1度だけと決めていれば、確かに毎日持ち歩く必要はないともいえる。

ポイントやマイルを効率よく貯めるにはクレジットカードは1~2枚に集約するのがよいし、あとは自分がよく行く店での割引やポイント特典があるショップカードを厳選して入れれば事足りる。ショップで言われるままに作ったカードを何枚も財布に入れておく行為は財布の迷宮化を招くだけだし、余計な買い物を誘うのでよいことなし。

TポイントやPonta、楽天スーパーポイントなど共通ポイントはスマホアプリにIDをひも付けすればプラスチックカードの持ち歩きは不要となり、ショップカードのバーコードを撮影するだけで情報をまとめられるStocardなどのアプリを利用する手もあるだろう。

今どきはカードの利用明細も、紙ではなくネットにログインして見る時代。枚数を厳選したほうが、管理も楽だし、万一不正があったときも見つけやすい。

「おカネとは」を改めて考える

その4 金運のお守り入り

これを正解と言うかは恐縮だが、やはり何らかの金運のお守りを財布に入れている人は多い。これは神頼みというよりは本人のおカネへのこだわり、蓄財意識の強さのバロメーターなのだろう。

ちなみに、筆者は金運神社の取材も何度かしたが、おおむね「おカネを増やすには、貯め込むのではなく使いなさい。それで回り回って大きくなって返ってくる」と聞かされた。なお、銭洗い神社で洗ったおカネも、持ち帰るのではなくその日に近所で使ったほうがいいそうだ。やや商売臭を感じなくもないが、確かにおカネは経済の血液、金庫にしまっておいて増えるものではない。お守りを受けに金運神社に行くことで、「おカネとは」を改めて考える節目にするという意義は大いにある。

おカネの使い方は、その人の価値観や人生観を映す。その入れ物である財布には、本人の意識が表れていることもあるだろう。

整理された財布は、持つ人のおカネの流れがシンプルに整理されていることを示し、おカネもカードもレシートも混沌として先が見えない財布なら、持ち主のおカネの流れも先が見えないという人かもしれない。

自分のおカネの使い方を直視し、余計なものをそぎ落とせば、財布の見通しもおのずとよくなるのではないだろうか。

松崎 のり子 消費経済ジャーナリスト

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まつざき のりこ / Noriko Matsuzaki

20年以上にわたり『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『マネープラス』などのマネー記事を取材・編集。家電は買ったことがなく(すべて誕生日にプレゼントしてもらう)、食卓はつねに白いものメイン(モヤシ、ちくわなど)。「貯めるのが好きなわけではない、使うのが嫌いなだけ」というモットーも手伝い、5年間で1000万円の貯蓄をラクラク達成。「節約愛好家 激★やす子」のペンネームで節約アイデアも研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』(講談社)、『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)。
【消費経済リサーチルーム】

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