ただ、Tモバイルの親会社、ドイツテレコムとの交渉がなかなかまとまらなかったのは、ソフトバンクグループ側に経営権に対する強いこだわりがあったためだ。
わずか半年前、前回の交渉が破談になった直後の中間決算会見で孫社長は、「スプリントは戦略的に重要な拠点で、経営権を手放してまで合併をすべきではない」とはっきり述べていた。経営権が大事な理由としては、米国市場の重要性のほか、米ワンウェブの衛星事業や、英アームのIoTチップなど、投資するグループ会社とのシナジー効果を挙げていた。
経営権を譲ることになった今回の合併の説明でも、孫氏は同じようにこうしたグループでのシナジーを強調。5Gの時代に力を発揮する周波数をスプリントとTモバイルが持っているとして、「足せば最強の組み合わせになる」と述べた。
経営権を失うことは「小さな妥協」
今回、経営権を失うことで描いてきた米国市場での絵はどう変わるのかについては、何も説明はなかった。そのうえ、孫社長は「統合で得られるシナジー、得られる戦いのポジションは非常に大きい」として、あれだけこだわった経営権を「大きな成果の前には小さな妥協はいいと飲み込んだ」とまで述べた。
この記事は有料会員限定です
残り 1290文字
