ソフトバンク、「主力子会社IPO」の勝算と懸念 親子上場が内包する課題を乗り越えられるか

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2月7日、国内携帯事業会社ソフトバンクの上場について言及する孫正義社長。なお、孫社長はソフトバンクのことを「KK」と呼ぶが、ソフトバンク株式会社(KK)のことを指している(撮影:今井康一)

ソフトバンクグループは2月7日、傘下の国内携帯事業会社のソフトバンクの株式上場準備を始めたと発表した。

ソフトバンクグループの孫正義社長はこの日、都内で開いた決算会見で「より明確な役割分担をする。親会社のソフトバンクグループは戦略的持ち株会社、KK(ソフトバンク)は自律的で機動的な成長を行っていけるようになる」と狙いを語った。1年以内の上場を目指す方針だ。

決算は大幅な増収増益

2017年4~12月期(第3四半期)決算は、売上高が前年同期比3.5%増の6兆8112億円、本業のもうけを示す営業利益は23.6%増の1兆1488億円、純利益は20.0%増の1兆0149億円だった。

営業利益が好調だった要因はビジョン・ファンドの含み益に加え、米携帯事業4位のスプリントのコスト削減が進み、収益が改善したことが大きい。主力のソフトバンク事業は、競争が激化する中で先行投資がかさみ、営業利益は6.0%減の6126億円だった。

ソフトバンクグループはグループ利益の約半分を稼ぐ、文字どおりキャッシュカウのソフトバンクを上場させる。孫氏は詳細について言及しなかったが、仮に保有株式の3割を売り出せば、市場からの調達価格は2兆円規模に達し、1987年のNTT上場に匹敵する過去最大級のIPO(株式新規公開)になりそうだ。

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