「危機感を持て!」と子を煽ってもムダな理由 勉強に身が入らない子に親がやりがちな失敗

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【1つ目のやめること】

はじめに「小2で中学受験したいと言ったその子の動機は何だったのか?」を考えてみましょう。

まさか、小2で将来の自分の夢の実現に向けて中学受験をしたいとか、中学受験のような難しい勉強をしたいから中学受験するとか、言ったわけではないでしょう。もちろんそういう子もいないとは言いませんが、一般的には非常に少ないものです。

自分から中学受験したいという動機は、「中学受験ってなんか特別なことやるようだからカッコいい」「みんなが持っているあの塾のカバンが欲しい」とか、「中学受験するって言っている自分ってカッコいい」や、また最も多い動機は「友だちが中学受験すると言っているから自分も」であったりします。そして友だちが中学受験に興味をなくせば、自分もなくなるというのも、これまでたくさん見てきたケースです。

これらのような動機だけだと、いざ、中学受験の勉強を始めると、義務的にやらねばならない勉強になってしまい、嫌気がさし、やっつけ作業になっていきます。これをクリアするには新たな動機が必要になってきます。

要するに、親が思っているほど、たいした動機で小2のときに「中学受験したい!」と言ったのではないということをまずは理解することでしょう。また、小2の頃の勉強内容は簡単であり、新鮮さもあることから、一見勉強に前向きに取り組んでいるように見えます。ですから、小2の頃との比較は意味がありません。親もそのように認識しておけば、余計な期待をかけて子どもにプレッシャーをかけることもなくなります。まずは、「前の状態との比較」をやめてしまいましょう。

「危機感を持って勉強すると失敗する」

【2つ目のやめること】

川嶋さんは危機感を持って取り組んでほしいとのことですが、実は「危機感を持って勉強すると失敗する」ことを知っておくといいでしょう。

では、「危機感がまったくなくのんびりとしているほうがいいのか!」というと、それも違います。つまり「危機感」という意味の取り方に問題があるのです。

危機感というのは煽るものではなく、自然と出てくるものです。危機感を持たせるような話を子どもにしても、感情があまり動かない子どもには、ほとんどその言葉は通じません。一方、感情的に敏感な子は、危機感が過度なストレスともなりかねません。つまり、「危機感を持たせるという親の姿勢」はどちらのタイプの子にとってもあまり有益でないのです。

以上2つのやめることについてお話ししました。1つ目は「前の状態との比較をやめる」、2つ目は「危機感を持たせることをやめる」です。

では、次にどうすればいいのかと気になりますよね。そこで、今度は「やったほうがいいこと」についてお話しします。

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