エアレース王者、45歳室屋が挑む千葉3連覇 次の千葉大会に向け、カンヌ戦で得た収穫

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カンヌ大会ファイナル4の結果は、次のとおりとなった。

1位:マット・ホール(オーストラリア)57秒692
2位:マティアス・ドルダラー(ドイツ)57秒764
3位:マイケル・グーリアン(アメリカ)58秒083
4位:室屋義秀(日本)1分00秒261

室屋は残念ながらカンヌ大会を4位で終えた。

ラウンド・オブ・8でのタイムを記録すれば勝利が決定していたが、そうはならずに課題を突き付けられる痛い結果となった。「千葉のような会場で、つねに風が吹いていればわかります。穏やかな部分と1カ所だけそうでない部分があると、今回のような面白い展開になるんですね」と笑顔の中にも悔しさをにじませていた。

室屋は、ラウンド・オブ・8までのフライトで風の影響を受けることはなかった。だが、今回のようにファイナル4でも不測の事態は十分起こり得る。最後の最後まで何があるか分からないので、より万全な準備が必要であり、気を抜くようなことがあってはならない。

室屋義秀(むろや よしひで)/エアロバティックス/レッドブル・エアレース・パイロット。1973年生まれ。2017年シーズンの年間王者(筆者撮影)

ラウンド・オブ・8に入ったときに、室屋とチームメンバーはフライト準備に突入していたため、他チームのフライト状況を把握することはできなかった。

そのため、ラウンド・オブ・8で、ピート・マクロードが室屋と同じ状況に陥ってパイロンにヒットしてしまったシーンを見逃していたのだ。

室屋にも起こりうるという危機管理ができていれば、何かしらの予防策を講じることができたかもしれない。長いシーズンの中で、このような事態は必ず起こりうる。カンヌでの経験を無駄にしないためにも、普段から風の有無を意識していく必要があると痛感していた。

千葉戦に向けてどのような準備を進めていくのか

「機体については、カンヌ大会で性能が上がっているのは把握できていますが、まだセッティングを掴めきれていないので、完璧なフライトを行うまでには、少し時間がかかる見通し」とコメントした。

2戦を終えての室屋のポイントランキングは総合3位、1位のグーリアンとの差がまだ5ポイントと好位置につけている。

「3位からトップに出たほうが面白くて盛り上がると思いますので」と、今後に期待を見せる室屋をかなり頼もしくも思った。

今後は、拠点である「ふくしまスカイパーク」で整備を行い、千葉大会に向けてテストフライトを繰り返す予定となっている。

「福島は、世界一トレーニングとテストをしやすい場所なので、1年の成果が出ると思います。良い状況で進んでいます」と言う。

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