非バックパッカーに人気?変わる「ホステル」 もはや「安かろう、悪かろう」ではない!

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Backpackers'Japanは、「国内向け宿泊施設検索サイトには情報提供をしておらず、積極的な営業活動も行っていない」(清水さん)。しかし、外国人旅行者向けの印象が強いホステルとしては珍しく、日本人宿泊者も3割を占めるほど人気化している。

女性のグループ客に人気

若い女性を意識し、壁やベッドにピンクやブルーなどの色を取り入れたという(写真は「カオサン東京」の客室)

浅草や秋葉原周辺でホステル「カオサン東京」も、外国人観光客に人気だ。カオサンを運営する有限会社万両の小澤弘視社長は、「都内中心にホステルタイプの宿泊施設は増えてきたものの、現状のニーズに対して、日本のホステルの数はまだ足りない」と話す。

今年5月に6店目としてオープンしたカオサン東京ラボラトリー店は、エアアジアの就航で、マレーシア、インドネシアからの旅行客の増加を想定。4年ほど前に開店を計画した。

国によって、個人旅行の旅のスタイルには特徴がある。台湾、タイ、マレーシア、インドネシアなどでは、家族や女性の友人同士など、3~4人でのグループ旅行が多い。そのためラボラトリー店の個室は3~4人向けとし、部屋以外でも集える場所としてキッチンを広めに作っている。また内装は、特に女性グループ客を意識している。ホステルタイプとしては珍しく、各部屋にもトイレ、洗面台、シャワールームがある。

カオサン東京が想定したとおり、ラボラトリー店の宿泊者のほとんどは外国人で、アジアからの旅行者が7割近くを占める。

ただ中には、女性4人で福岡から東京に遊びに来た学生グループも。「カラフルな内装がかわいい。4人1部屋で泊まることができる安い宿泊施設を探したら、ここくらいしかなかった」(福岡からの女性客)という。ホステル初心者の日本人旅行者は着実に増えている。 

「宿泊施設の稼働率は9割。11月にオープンを控えた京都に加えて、今後は大阪と東京に数店舗開業しようと考えている」(小澤社長)。

(撮影:大澤誠、吉野純治)

『週刊東洋経済』10月19日号の巻頭特集は「おもてなしで稼ぐ」。東京五輪まで約7年、日本が観光立国となるための方法や課題について、豊富なケーススタディや地域の取り組みを通して紹介しています。
 

中原 美絵子 フリーライター

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なかはら みえこ / Mieko Nakahara

金融業界を経て、2003年から2022年3月まで東洋経済新報社の契約記者として『会社四季報』『週刊東洋経済』『東洋経済オンライン』等で執筆、編集。契約記者中は、放送、広告、音楽、スポーツアパレル業界など担当。

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