先ほどの学生指導担当の教員は、偏差値のそれほど高くない大学でマーケティングを教え、就職指導も行っている。講義中の学生について聞くと、「マニキュアを塗っている女子学生がいて、注意すると『わたしは講義を聴いている』と言われる。確かに寝ている学生よりましかも」とのこと。講義の邪魔にならなければ、それでよしとしているのだ。
このような大学生活がマナー知らずの学生を培養しているのだろう。就活生に言いたい。キャンパスで許容されても、社会では受け入れてもらえないことは多い。企業に評価してもらいたいなら、説明会で寝てはいけない。遅刻したら謝る。話を聞くときは背筋を伸ばす。ぶつぶつ独り言を言ってはいけない。一貫性のある対応をする。書類は大切に扱う。
マナー違反を嘆く声はまだまだある。7パターン以外の行動を紹介していこう。
説明会会場に飲み物のペットボトルを置いていく
これらは実際にあった話だ。もしかしたら、社会人経験のない学生は、それをマナー違反と考えていないのかもしれない。
人事の採用担当者はこういう学生に何度も遭遇しているはずだ。他部署のほとんどは大人相手のビジネスを行っている。企業の中でこういう人間と接する部署は人事だけだろう。非常に気の毒である。
面接で「働きたくない」という趣旨の発言をする学生もいるようだ。
1980~2000年の間に生まれた者は「ミレニアル世代」と呼ばれ、デジタルスキルに長け、キャリアプランでも、地位や収入よりワークライフバランスを重視することが特徴とされている。
アメリカだけでなく、日本でもそういう傾向があるのだろう。また、2010年以降に”ブラック企業”を糾弾する動きが生まれ、さらに安倍晋三政権が女性活躍、生産性向上、働き方改革が重要施策に据えていることもまた、影響しているかもしれない。
企業研究でも「残業時間や有休消化率、女性関連データ(産育休制度、管理職比率)に注意しなさい」と言う指導もある。
こういう風潮の中で就活を始めると、「働くことが悪いこと」と思い込み、「わたしはライフを充実させたい」「残業はしません」と宣言する学生がいても不思議ではない。ただ、こういう学生はあらゆる企業で門前払いされるだろう。企業はともに仕事をする若者を求めているからだ。
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