「男の介護教室」で教えられる超実践的スキル

追い詰められる前に知っておきたい

孤立しがちな「男の介護」を変えようと奔走する人々がいます。(写真は調理実習の様子。写真:河瀬聡一朗医師提供)

近い将来、私たちの誰もが介護したり、してもらったりする時代が来る。

今から7年後の2025年には、65歳以上に占める認知症患者は約700万人、およそ5人にひとりになる(「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」九州大学・二宮利治教授らの2014年度の調査、行政効果報告を参照)。

この連載の一覧はこちら

介護は「お嫁さんの仕事」というのは一世代前の話だ。介護者全体に占める「子の配偶者(いわゆる婿や嫁)」は9.7%まで低下した。

一方、同居の介護者に占める男性割合は増え続け、直近で34%になっている。男女ともに介護者は60代以上が7割となっており、自身の健康が気になる世代による介護が当たり前だ(平成28年、厚生労働省・国民生活基礎調査)。

今回は、宮城県石巻市における男性介護者支援の取り組みを見る。

石巻市の高齢化率は31.09%で日本全国平均の27.3%(2017年3月時点)を上回る。7年前の東日本大震災で津波被害の大きかった半島地域は、高齢化率がさらに高く、牡鹿では46.49%と人口の半分近くが高齢者だ。こうした地域は、日本全体が近い将来、直面する課題を先取りして経験している。

震災後、長野県から宮城県に移り住み、地域医療を支える歯科医として働く河瀬聡一朗医師は、仕事の傍ら、男性介護者の支援に取り組む。河瀬医師が見てきた、男性たちの家事や介護の実態とは?

なぜ「男の介護教室」を開いたか

――河瀬先生は、石巻市を中心に「男の介護教室」を開いています。宮城県出身の知人が、驚いていました。男女の役割分担が固定化していることが多い地域で、男性が介護や料理をするようになったのは、すごいことだ、と。

男性介護者にも、さまざまな方がいます。確かに「介護をするようになるまで、台所に入ったことがない」という人もいます。たとえば農業をしていた方は「おコメを作ったことはあるけれど、おにぎりは作ったことがない」という具合に。

次ページ課題は…
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 山本シンヤが迫るクルマ開発者の本音
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • CSR企業総覧
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ひろゆき感動「難病61歳の人生サイボーグ化計画」
ひろゆき感動「難病61歳の人生サイボーグ化計画」
ソニーとパナソニック、10年で大差ついた稼ぎ方
ソニーとパナソニック、10年で大差ついた稼ぎ方
会社にとって「一番お荷物になる社員」5つの条件
会社にとって「一番お荷物になる社員」5つの条件
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
15種類の「書き方」を徹底解説<br>無敵の文章術

ビジネスパーソンを中心に文章力の必要性が高まっています。在宅勤務における情報伝達手段として、メールやチャットは不可欠に。また精度の高い企画書はビジネスの成功に直結します。本特集ではシーンや目的別に、短期間でのスキル向上を目指します。

東洋経済education×ICT