暴言・マジギレ上等、高学歴モンスターの正体 豊田真由子元議員を例に、精神構造を分析

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まず、衝動コントロールの未熟さは、豊田氏が怒りと攻撃衝動をコントロールできず、暴言を吐いた相手がこの政策秘書だけではないという事実に端的に表れている。2012年12月に初当選した衆院選の期間中から暴言がひどく、何度も「ぶち切れていた」らしい。

このように衝動のコントロールができず感情的になる一因に、先述の強い特権意識がある。自分は少々感情的になっても許されると思い込んでいると、歯止めがきかず、暴走しやすいからだ。また、先述の想像力と共感の欠如のせいで、自分が感情的になって吐く言葉が相手をどれだけ傷つけるかに思いが及ばないこともあると考えられる。

衝動コントロールができない代議士は少なくない

こうした傾向は、豊田氏に限らず、特権的な立場にいるエリートにしばしば認められる。豊田氏のふるまいについて、自民党の河村建夫元官房長官は、「あれはたまたま彼女が女性だから、あんな男の代議士なんかいっぱいいる。あんなもんじゃすまない」と発言して、物議を醸したが、さもありなんという感じである。特権意識が強く、想像力と共感が欠如しているせいで、衝動コントロールができない代議士は少なくないと推測される。
ただ、豊田氏の場合、すさまじい暴言で政策秘書を罵倒し、暴力まで振るっているので、精神科医としては「間欠爆発症」の可能性も疑わざるをえない。

「間欠爆発症」は、攻撃衝動を制御できない衝動制御障害の一種であり、激しい口論や喧嘩、他人への暴力や器物の破壊などを繰り返す。しかも、攻撃性の爆発は、きっかけとなるストレスや心理社会的誘因と釣り合わないほど激しい。おまけに衝動的で計画性がない。

「これくらいのことであんなに怒るなんて信じられない」と周囲から言われる人はどこにでもいて、「かんしゃく持ち」などと陰口を叩(たた)かれる。おそらく、豊田氏もそう言われてきたのではないか。

それでも、これまで許容されてきたのは、豊田氏がきわめて優秀で、エリートコースまっしぐらだったので、周囲が大目に見た、もしくは注意するのをためらったからだろう。 あるいは、周囲から注意されても、豊田氏が「優秀なこの私に向かって…」などと反発したとか、聞く耳を持たなかった可能性も考えられる。いずれにせよ、衝動コントロールができないまま年齢を重ねたという印象を受ける。

その自覚が豊田氏にまったくなさそうに見えることが、何よりも問題だと私は思う。これだけ秘書に暴言を繰り返し、暴力まで振るったのが事実とすれば、「間欠爆発症」の可能性がかなり高いが、その自覚があるとは到底思えない。

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