暴言・マジギレ上等、高学歴モンスターの正体 豊田真由子元議員を例に、精神構造を分析
さらに、豊田氏は、自らの精神的な幼児性についても自覚していないように私の目には映る。というのも、政策秘書への暴言と暴行が白日の下にさらされようとしていた2017年6月、豊田氏が脈絡なく突然、幼い頃に戻ったかのような幼児言葉で、嗚咽(おえつ)を交えながらわめき始めたと報じられたからである。
「怖いよおー」「ママー、ママー」「ママごめんなさい、ごめんなさいママ。ううう、ママーっ!」「まゆ(豊田氏自身)が悪いの、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、うううー」
その場に豊田氏の母親はいなかったにもかかわらず、40歳を過ぎた大人が突然「ママー」などと言い出したわけで、これを精神医学では「退行」と呼ぶ。退行とは、平たく言えば赤ちゃん返りである。自らに降りかかった事態が自分では手に負えず、対処しきれないと、子どもに戻って大目に見てもらおうという心理メカニズムが無意識のうちに働いて、こういう反応を起こす。
退行を起こしやすい人の特徴
退行を起こしやすい人は、一般に多くの人々が認める現実、すなわち「客観的現実」よりも、本人が心の中でそう思い込んでいる「心的現実」を重視する傾向が強い。つまり、自分にとって都合が悪く、耐え難い客観的現実を認めたくないので、「自分は悪くない」「自分のほうこそ被害者だ」という心的現実に逃げ込もうとする。
豊田氏も、政策秘書への暴言と暴行が報じられそうになり、政治生命の危機に直面したため、耐え難い客観的現実から心的現実に逃げ込もうとしたのではないか。
このように豊田氏には衝動コントロールの未熟さと精神的な幼児性が認められるが、いずれについても自覚していないように見える。これは、2つの理由によると考えられる。まず、自己愛が強いため、自分自身に未熟で幼児的な部分があることを受け入れられない。また、輝かしい学歴と経歴の持ち主なので、周囲がなかなか注意できず、結果的に許容してきたことにもよるだろう。
いずれにせよ、豊田氏の自覚の欠如が、暴言と暴行に歯止めをかけられなかった重要な要因であることは疑いない。
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