東大の入試問題は難しすぎると思う人の盲点 「知識」よりも「頭のやわらかさ」が必要だ
試験会場で「時刻表!?」と驚いた受験生も多かったであろうこの問題ですが、もちろんちゃんと考えなければ正解することはできません。各時刻表の1日当たりの本数は以下です。
b)1日11本
c)1日21本
d)1日54本
まず、一番台数が少ない時刻表を考えますと、1日に2本しかない「a」です。①~④のなかで一番少なそうな時刻表といえば、④の「人口約5000人の山間部の村のバス停」が考えられます。
利用する人の数が少なければバスの台数も少なくなるはずですが、④は「人口約5000人」と、利用する人の数は一番少なそうです。単純に考えて、近くに住んでいる人が少なければ、利用者だって少ないはずです。そういうわけで、「a」は④と判断できます。
反対に、一番台数が多い時刻表は「d」。特に7時台は、1時間に6台も走っています。10分に1回出発しているのですから、もう電車と変わりませんね。なぜこの時間だけ台数が多くなっているのでしょうか?
答えは皆さんもよく知っているはず。「通勤ラッシュ」です。通勤・通学のために利用者が多くなるから、この時間帯にバスが多く走っているのです。
②の「東京郊外の住宅団地のバス停(最寄りの駅前行き)なら、東京の通勤ラッシュのイメージと結びついて、「d」の時刻表にぴったりですね。皆さんのなかにも、毎朝、最寄りの駅にバスで行って、そこから東京の職場・学校に向かう、という人が多いのではないでしょうか?
そういうわけで、「d」の答えは②だと判断できます。
さて、「b」と「c」が残りました。どちらが成田空港の上海行きの航空便で、どちらが「人口約10万人の地方都市の駅前のバス停」なのでしょうか?
皆さんの多くは飛行機に乗ったことがあると思いますが、その飛行機の出発時刻が「10時32分」や「16時59分」だったことがあるでしょうか? おそらく、そんなハンパな時刻はなかったと思います。バスと違って、飛行機には多くの人が乗りますし、乗る前に搭乗手続きなどいろいろ準備しなければなりません。
そうすると、「32分」や「59分」といったハンパな時刻ではわかりづらくて、間違ってしまう人が出てしまいます。だから、飛行機は「50分」や「25分」など、キリのいい出発時刻が設定されているのです。
そういうわけで、「9時50分」「10時00分」などキリのいい数字が並んでいる「b」の答えは①で、残った「c」の答えは③です。
意外と東大受験生の正解率は低い
中学生100名にこの問題を解いてもらったところ、およそ3割の生徒が正解しました。「これで君たちも東大合格だ!」と言うと、うれしそうにしてくれました。このように、この問題は中学生でも解けるわけですが、意外にも東大受験生の正解率は低いです。
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