東大で人気化する「アイデア出し」授業の中身 「呪縛」から抜け出す5つの方法

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アイデア発想の邪魔をする「悪い思い込み」とは?(写真: flyingv / PIXTA)
ブレストや会議、アイデア出しの打ち合わせ。そんな場で発言できない人を多く見かけます。彼らは実は「アイデアの呪縛」にとらわれた間違った思い込みをしている。そう指摘するのは、博報堂のブランド・イノベーションデザイン局局長として数々の企業の問題解決に取り組み、東京大学の特任教授として東大生にアイデア法の授業を教える宮澤正憲氏。
テストの点がいい人ほど陥るアイデアの罠(わな)とは? 『東大教養学部「考える力」の教室』として書籍化もされた人気授業で、乃木坂46のメンバーも学んだといわれる思考メソッド。東大で実際に行われた授業をベースに紹介します。

アイデアは才能か

あなたはアイデアを考える必要に迫られていますか?

もしかすると、上司やクライアントから「ボツ!」「つまらない!」とダメ出しをされ、「アイデアの才能がない……」と落ち込んでいるかもしれません。

これまで「アイデアを考える力」とは、一部の才能ある人の特権とされてきました。いわゆる、アイデアマンと呼ばれる人です。彼らは経験上、暗黙知で新しいことを考える力があるので、周りからは、特別な才能があると見なされていました。

しかし、アイデアを考える力は、天賦の才能ではありません。「考える力」は誰でも訓練すれば向上が可能です。頭が固くて面白いネタを思いつけなかった人が、次々と斬新なアイデアを出せるようになる。そんな変化を、目の前で数多く見てきました。

筆者は、現在、特任教授として東京大学で授業を行っていますが、普段は広告会社でクライアントの問題解決に携わっています。日頃から、いかに独創的なアイデアを出すか、魅力的なコンセプトにたどり着くかを求められ、最前線で数多くの経験を積んできました。

コツをつかむだけで、自分でも思いもよらなかった「面白いアイデア」を思いつき、世界を変える発想ができます。ここではまず、アイデア発想の邪魔をする「悪い思い込み」について紹介しましょう。

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