東大で人気化する「アイデア出し」授業の中身

「呪縛」から抜け出す5つの方法

量を出すのも、コツがあります。アイデアを考えるときの、「空気づくり」に、工夫をこらすのです。

たとえば、私は会議や打ち合わせではできるだけ「お菓子持ち込みOK! 食べながらのアイデア出し」を推奨しています。根を詰めて厳格に考えても、アイデアの量は増えていかないからです。「くだらなくてもいい、突飛でもいい、とにかくみんなでたくさんアイデアを出そう」というときには、ノリや盛り上がり、楽しさが大事になってきます。

大半の会社で、会議へのお菓子の持ち込みは禁止だと思います。深刻な情報を共有するための会議ならわかりますが、よいアイデアを出し合おうという場なら、お菓子の解禁が空気を和らげる効果を発揮するでしょう。同様に、「ネクタイを外して会議をする」「肩書ではなく、さん付けで呼び合う」といった工夫も、場のよい雰囲気をつくるうえで有効です。

言語化できない無意識領域は「宝の山」

【誤解3】「ニーズは直接相手に聞けばいい?」

新しいアイデアを生み出す過程で、「必要なものを相手に直接聞いてしまう」人は多いかもしれません。でも、相手に直接聞いたところで、つまらない答えしか返ってきません。なぜなら、本当によいものは、聞かれた本人も気づいていない「深層心理の部分」に眠っているからです。

ハーバード大学のジェラルド・ザルトマン博士は、無意識の重要性についてこんな言葉を残しています。

「人間は、自分自身の意識の5%しか認識していない。そして、残る95%のほうがわれわれの行動に関係している」

相手にニーズを直接聞いても、聞かれた本人は答えを持っていません。逆にいえば、言語化できない無意識領域は「宝の山」です。だからこそ、大事なのは「問い」です。

ビル・クリントン元大統領をはじめ、世界的投資家のジョージ・ソロス、俳優のアンソニー・ホプキンス、 テニスプレーヤーのアンドレ・アガシなどのコーチングを務めるアンソニー・ロビンズはこう言います。

「私たちが得る答えは、私たちが何を質問するかによって決まります。つまり、どれだけすばらしい答えを得る質問をするかどうかなのです」

また、テニスコーチの草分け的存在であるティモシー・ガルウェイは、「球をよく見ろ」と教える代わりに、こんな問いを投げかけました。

「ネットを越える瞬間、ボールの回転はどうなっている?」

この質問のおかげで、選手はまずボールを見ることのみに集中できるようになりました。さらに、実際に回転がどうなっているのか、自発的に練習に取り組むようになりました。

すばらしいたった1つの「問い」が、すばらしいアウトプットを引き出した典型例といえるでしょう。

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