要注意!職場における「パワハラの典型」6つ

指導のつもりはNG、懲戒処分や訴訟リスクも

なぜこうしたパワハラが起きてしまうのでしょうか。その要因についてはさまざまなことが考えられますが、感情をコントロールする能力やコミュニケーション能力の低下、またつねに業績成果を求められ失敗の許されないプレッシャーや長時間労働、不公平感を生み出すさまざまな雇用形態などストレスフルな職場環境が引き金となっていると考えられます。

実際に、パワハラが起きている職場は、「上司と部下のコミュニケーションが少ない職場」(45.8%)、「失敗が許されない/失敗への許容度が低い職場」(22.0%)、「残業が多い、休みが取り難い職場」(21.0%)、「正社員や正社員以外など様々な立場の従業員が一緒に働いている職場」(19.5%)、が上位となっています(厚生労働省「平成28年度 職場のパワーハラスメントに関する実態調査」参照)。あなたの職場で心当たりがあるようであれば、注意が必要と言えます。

会社の就業規則では、セクハラやマタハラ防止と合わせて、パワハラ防止に関するワークルールが設けられているのが一般的です。そしてこれが守られずにハラスメントと認められるような行為をした従業員に対しては、懲戒処分が科せられるルールとなっている場合がほとんどです。ぜひ一度、社内のハラスメント防止に関する規定を確認していただければと思います。

また、パワハラやそれに類する行為を受けている従業員に対して、社内の相談窓口を設けている企業も多いといえます。相談窓口がない、あるいは相談をすると不利益がありそうでなかなか相談ができず悩んでいるという場合は、労働局又は労働基準監督署内にある総合労働相談コーナーや法テラス(日本司法支援センター)などの外部機関でも対応しています。

政府は2017年3月にまとめた「働き方改革実行計画」にパワハラ防止策の強化を検討すると明記。厚生労働省は有識者検討会を立ち上げ会合を重ねてきました。最終報告書において、雇用主に雇用管理を義務づける法制化と、法的強制力を持たないガイドラインの策定の両案を併記するにとどめられ、実効性の高い対策を出すまでには至りませんでした。

今後、労働政策審議会で議論されることになり、パワハラ防止に対する取り組みは徐々に進められると考えられます。

パワハラは企業の生産性低下にもつながる

パワハラが職場に与える影響は実に深刻です。被害者にとっては、人格や尊厳を傷つけられたり、仕事への意欲や自信をなくしたり、心の健康が悪化することで休職や退職に追い込まれることさえあります。パワハラを行った人も、社内での信用を低下させかねず、懲戒処分や訴訟リスクを抱えることも考えられます。

企業にとっても、パワハラによって貴重な人材の損失につながるおそれもあり、問題を放置した場合には使用者としての責任を問われることになります。

何がパワハラに当たるのか、日頃の言動に問題がないか、私たち一人ひとりが自覚をもつことが大切ではないでしょうか。

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