最後は、いよいよ背中を押す「激励」のステップです。ここでは相手が言ってほしい言葉をかけることが重要です。気合いを入れてほしいのか、自信を与えてほしいのか、寄り添ってほしいのか、安心感を与えてほしいのか……相手が何を望んでいるのかを見極めるのです。
例:気合いを入れてほしい、奮い立たせてほしいと思っている相手には
「大丈夫、君ならできるよ」「あの努力は誰にもまねできない」「思い切って力を出し切ろう」「私たち以外にこの問題を解決できるチームはいない」「今、すごくいい風が吹いてきている。思い切りのっていこう」
例:安心感を与えてほしい、自信を持たせてほしいと思っている相手には
「いつでもサポートするから」「何かあったらすぐに助けるよ」「みんな君の味方だ」「いつもどおりで十分だよ」
自分自身の自己肯定感を高めることもできる
人は、それぞれ言ってほしい言葉があります。状況によってもかけてほしい言葉は変わってきます。誰に対しても「頑張れ!」の一点張りではなく、背中を押す一言を考えてみましょう。
この4つのステップで考えると、相手の気持ちや状況を認め、プラスに転換し、集中すべきことに心を向け、背中を押す声がけができ、結果的に相手の自己肯定感を高めることにつながります。そして、この声がけは自分自身や子どもに対しても有効です。
日本人は自己肯定感が低いという調査結果をよく耳にしますが、自己肯定感が低い状態では当然ながら困難な状況に立ち向かうのは難しいと言えます。ビジネス環境が激しく変化する時代、いいことばかりではありませんが、そんなときこそ、このペップトークの4つのステップで周囲や自分に声がけしてみましょう。マイナスの状況をプラスに変換する励ましができれば、いま抱えているさなざまな問題を乗り越えていく活力が生まれてくるでしょう。
清水 久三子
アンド・クリエイト代表取締役社長・人材育成コンサルタント
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しみず くみこ / Kumiko Shimizu
アンド・クリエイト代表取締役社長・人材育成コンサルタント
大手アパレル企業を経て1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして新規事業戦略立案・展開プロジェクトをリード。「人が変わらなければ変革は成し遂げられない」との思いから専門領域を人材育成分野に移し人事・人材育成の戦略策定・制度設計・導入支援などのプロジェクトをリード。コンサルティングサービス&SI事業の人材開発部門リーダーとして5000人のコンサルタント・SEを対象とした人材ビジョン策定、育成プログラム企画・開発・展開を担いベストプラクティスとして多くのメディアに取り上げられた
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