日本人が超苦手「叱咤激励」の正しいやり方 「頑張れ」ではなく、4つのステップが必要だ

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激励の言葉をきちんと相手に届けるためには、その前に相手に寄り添い、この人に理解してもらえたと思ってもらうことも必要です。では、どのように効果的に励ますのか、4つのステップをご紹介します。

相手の心に火をつける4つのステップ

まず1つ目のステップは「受容」です。ここでは相手が置かれている事実や状況をしっかりと受け止めます。よくやってしまいがちなのは、相手が緊張したり、落ち込んでいるのに、「リラックスしろ」「もっと元気を出そう!」など、相手の置かれている状況を否定してしまうことです。実際に自分がこの言葉をかけられても、あまりやる気が出るとは思えませんが、つい人には言ってしまいがちですね。

こういう場合にはまずは相手の感情や置かれている状況を理解していることを示さないと本気で励ましているつもりでも逆効果になります。相手の心が不安な感情でいっぱいのときにいくら前向きな言葉をかけても入る余地がないからです。まずは相手の気持ちをいったん酌み取って、励ましの言葉が入る余地をつくるのです。よい例と悪い例で比較してみましょう。

例1:大事なプレゼンテーションを控えている相手に
NG:リラックスしよう! 不安になってもしょうがないだろ
OK①: こんな大事なプレゼンなんだから緊張して当たり前だよ
OK②: 私も以前はものすごく緊張したからその気持ちが想像できるよ
例2:取引先を怒らせ、不安になっている相手に
NG:もっと元気出そう!
OK①: 私も以前すごくつらかったからその気持ちわかるよ
OK②: こういう状況では不安になるよね。当然だよ
例3:社長やリーダーが、業績低迷で不安になっている社員に対して
NG:わが社は絶対に大丈夫だ!
OK①:今われわれの業績は前年比マイナス20%と厳しい状況に置かれています
OK②:今、われわれの競合にとって圧倒的に有利な状況だと言われています

相手が「この人はわかってくれている」と思ったら次の「承認」のステップです。ここでは受容した感情をポジティブにとらえ直してプラスの感情に変えていきます。逆境と思われる状況でも逆転の発想でとらえ方を変えるのです。

例1:大事なプレゼンテーションを控えている相手に対して
→緊張しているのはこれまでしっかりと準備をしてきた証拠
例2:不安になっている相手に
→不安だったり心配になるのはそれだけ相手のことを大切に思っているから
例3:社長やリーダーが、業績低迷で不安になっている社員に対して
→この問題を乗り越えれば大きな成長につながる。つまりこれはチャンスだ
次ページ日頃からプラスへの置き換えを習慣にするといい
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