広島カープ「チケット争奪戦」ヤバ過ぎる実態 昨年の反省を生かし対策を進めているが…

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ただ、今年は「窓口で(どのゲームのどの席を買うか)迷う人が必ず出るので、窓口での携帯電話の使用を禁止したうえで、残席状況がリアルタイムで把握できるシステムを入れたタブレットを球団職員に持たせ、並んでいたファンたちが窓口に立つときには買うチケットが決まっているようにした。発券機も1台増設して3台に増やし、発券効率を高めたので、1日で発券できる枚数が昨年よりも300枚多い1300枚になった。昨年よりも整理券配布枚数は600枚増えたのに、発券にかかった時間は大幅に短縮できた」(球団)という。

「整理券」配布前に「人数確認券」も配布

「大量購入する人には引換券を渡し、別室で受け渡しをする形をとった。その際に氏名、連絡先、購入目的を聞いている。比較的多いのはカープ戦の観戦ツアーに使うという旅行代理店だった」(球団)ともいう。

それでも、2人の男女が窓口で大量購入する姿が目撃され、一方の女性は200万円相当の購入だったと言われている。

これについては、「初期の段階では連絡が徹底しておらず、1人や2人に対して、氏名、連絡先、購入目的を聞かずに売ってしまったケースだと思う。ただ、1人が購入した最高額の200万円が上限で、昨年のような500万円クラスの人はいなかった」(球団)という。

つまり”5試合まで購入という制限は多少なりとも効果があった”ということだろう。

昨年同様、チケット転売サイトには大量の出品が並んでいる。座席を特定できないような出品方法をとっているものもあり、転売目的の購入者の手口も年々高度化している。たとえば、アルバイトを雇って1人が買う枚数を分散させれば目立たなくなる。疑心暗鬼にかられて転売目的でない普通のファンでも多めに買う場合もあるため、余れば出品してしまうのだろう。

今年は割り込み防止目的で、整理券配布前日に「人数確認券」も配布した。ただ、事前に配布時間を告知したので、結局配布時間直前に大量の割り込みが発生。「たまたまトイレや買い物などで列を離れていた人からクレームがつくので、配布時間を告知しないわけにはいかなかった」のだ。

次ページなおも課題は残っている
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