「娘はバカだと思われてる。恥ずかしい。明日から学校に行けないと言います」。この部分がご相談の核の部分だと思います。娘さんの思いすべてが表現されているように感じます。
偏差値が上がらないにもかかわらず、偏差値が高い学校を受験したいと言い、自習室にも足繁く通い、勉強は楽しいと言う。このような受験前の状態は、どう考えても矛盾していますよね。「この子は、自分のことがよくわかっていない“変わった子”なのだろうか」と思われても不思議ではありません。
表面的言動で “凄い自分” を作っていく
でも、それは変わっているのではなく、「理想的自分に陶酔するタイプ」だというだけです。
・自習室に足繁く通う自分って凄い
・「勉強が楽しい」と言っている自分って凄い
・偏差値の高い学校を受ける自分って凄い
こうやって凄いと感じる自分を演出していくのです。学力が低いことは自分が一番よく知っているので、それを感じさせないようにするために、表面的言動で “凄い自分” を作っていくのです。兄弟が早慶に行っていることとも無関係ではありません。おそらく家庭内に早慶ムードが形成されており、娘さんも自分もそのゾーンだと思っている可能性があります。
通常はそれ自体は問題ないどころか、自分もいけるという自己肯定感にプラスに働くことが多いのですが、娘さんのようなパーソナリティの子の場合は、学力が上がらない自分が継続されると、それを覆い隠し外面を取り繕っていきます。そうしたケースを幾度か見てきました。
ですから、「あれこれ勉強のやり方を指摘される自分は凄くない」と思っているので、親の指摘などを受け入れることは滅多にありません。
勘違いしてはいけないのは、このようなパーソナリティは悪いというものではないということです。ただそのようなタイプだというだけのことです。タイプがわかれば、そのタイプに合わせたアプローチをしなければなりません。単純に「おかしい子」「変わった子」で片付けてはいけません。タイプの問題なのです。今は、逆行した対応をされているのでアプローチを修正する必要があるでしょう。
ではアプローチについてお話ししましょう。
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