ただ送別会なので、最後のあいさつは、主役本人にしてもらうのがいいだろう。逆に自分が送別される立場になったなら、「一言あいさつを」と言われるので、事前に考えておいたほうがいい。開会・閉会のあいさつは司会者がすればOKだ。
6.贈り物は、商品券でも良い
主役が退職する場合は、記念品を贈ることが多い。寄せ書きをした色紙に、何かもう一品贈るのが定番だ。ただ、何にするか悩むケースが少なくない。趣味の品やお酒がオーソドックスだが、趣味がなく、酒も好きではないとなると、悩んでしまう。使わないものを贈ったらジャマになるだけだ。
それに対し、『やわらかい人間関係をつくる すごい挨拶力』(新講社ワイド新書)をはじめ、マナー関連の著書を持つ、現代礼法研究所主宰の岩下宣子さんは、「何が欲しいか、本人に聞いてもよいのですが、どうしてもわからないということであれば、商品券を贈っても問題ありません」とアドバイスする。
目上の人に現金を贈るのはタブーだが、商品券なら問題ないという。好きなものを自分で選んで買えるので、意外と喜ばれるそうだ。金額は、職場の人数によるが、1人1000円程度集めて1万~2万円にもなれば十分だ。商品券に抵抗があれば、カタログの中から商品を選べるカタログギフトを贈るというのも手だろう。
贈り物の、のしの表書きは、「(定年)退職祝」と書くと、主役がさびしい思いをするかもしれないので、「感謝をこめて」と書くといい。
大切なのは、「主役を引き立たせる」意識
7.花束は相手のキャラクターに合わせて
送別会で花束を贈るのは定番だが、女性は喜ぶ人が多いのに対し、男性の場合、花束を持って帰るのがおっくうという人もいる。前出の岩下さんは、「主役が男性の場合は、花束は品物に添える程度の大きさでかまいません。相手のキャラクターによっては、渡さなくてもいいぐらいです」という。女性に渡すにしても、金額は5000円ぐらいの花束で十分だ。
8.余興やサプライズに労力をかける
定年退職者を送り出すときは、長年勤め上げた会社の思い出に触れられるような余興やサプライズを用意するとよい。
現役ビジネスパーソンに話を聞くと、「家族からのビデオメッセージがいいと思う。今度、単身赴任中の上司が退職するので、自宅をこっそり訪れて家族にインタビューしようと検討中」(43歳・IT会社勤務)、「お世話になった取引先の担当者からのメッセージをとってきたら、非常に喜ばれた」(38歳・広告会社勤務)というように、ビデオメッセージが好評だったと語る。社内の元同僚などから、若い頃のエピソードをもらってくるのもいいだろう。手間はかかるが、そうやって一汗かくことで、心に響くサプライズになる。
簡単にポイントをまとめたが、最も大切なのは、「主役を引き立たせる」意識を持つことだ。そうでないと、主役が埋もれてしまい、単なる会社の飲み会になりかねない。逆に、その意識さえ持っておけば、多少の不手際があっても、主役を喜ばせることができるはずだ。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら