いよいよ3月。株式市場はなお不安定です。2月に起きた米国発の世界同時株安は「再上昇のための調整」だったのか、それとも「本格下落に向かうサイン」なのか。草食投資隊の3人が意見をぶつけ合いました。
まだ長期金利上昇を心配する必要はない
中野:もう随分時間が経った気もしますが、2月のニューヨーク株式市場の値崩れは結構大きなものになりました。日本の株価もそれを受けて下落しました。いわゆる「ゴルディロックス相場」が崩れたわけですが、何をもってゴルディロックス、つまり適温だったのかというと、金利が低水準だから、株価が上昇するという状況だというわけです。
でも、これって本当は、法則的におかしくないですか。なぜなら、低金利は景気が長期的に低迷することを意味しますが、株価上昇は景気が好調であることを意味します。つまり相場の初期などでは、あることとはいえ、低金利と株高の同時進行は、そもそも矛盾しており、どちらかが間違っているわけです。だからゴルディロックス相場は長続きせず、いずれ本当に正しい方向に収斂されると見ています。
渋澤:米国が異次元の積極財政を始めたじゃないですか。すでに雇用は完全雇用状態なのに、ここで財政のアクセルを踏めば、将来、インフレが進むのは自明です。米国の株価が大きく崩れたのは、マーケット関係者の間に今の財政政策に対する不信感が強まったからという面はあります。そのタイミングで、(ジャネット・)イエレンさんがFRB(米連邦準備制度理事会)議長を退任し、新しく(ジェローム・)パウエルFRB議長が誕生したため、マーケットがパウエル新議長の腕前を見るために揺さぶりを掛けた、という見方もありますね。
藤野:一部では「パウエルショック」なんて言い方もされていました。
中野:過去も、FRB議長が交代するときは、必ずマーケットが荒れましたからね。
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