日経平均株価がそう簡単に急回復しない理由 反発はしているが、「上げ基調」とは言えない

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日本株がもう一段上昇するかどうか、見極めるための「ツボ」がわかれば怖くない(写真:オフィスK/PIXTA)

日本株がようやく戻り基調だ。代表的な指標である日経平均株価は2月27日2万2389円と前日比236円高で終了した。ただ商いは活況とはいいがたく、自律反発の域にとどまっている。「出来高は株価に先行する」といわれるなか、今後はどのような足取りをたどるのか。今回は出来高に代表される、市場のボリューム(量)に注目、今後の見通しを探ってみた。

個人投資家の買いは今後も続くのか

2月14日、日経平均株価は2万1154円(取引時間中では2万0950円)まで急落したが、テクニカル面で見ると、底入れ条件(①騰落レシオ70%前後、②200日線前後など)がいったん複数そろっていた。足元では米国の長期金利の上昇が一服したことや同国の株式市場の予想変動率も低下したことが好感され、足元の日経平均株価も27日は一時2万2500円台を回復した。

国内勢は急落を待っていたようだ。代表的なのは個人マネーだ。2月第1週(2月5日~9日)、個人の買い越し額は約7500億円に達し、ブラックマンデー直後の1987年10月第3週の買い越し額6500億円を上回り、過去最大となった。証券口座のマネー・リザーブ・ファンド(MRF)には残高が約13兆円も積み上がっており、個人マネーの待機資金は潤沢だ。

また日銀マネーも依然重要だ。上場投資信託(ETF)の買い入れも年6兆円におよぶなか、1~2月も月5000億円程度の買い入れペースを「順調に」消化している。

ただ、個人マネーも日銀マネーも、あくまでも双方ともに「下支え役」の域を出ない。基本は下値を拾う逆張りスタンスだ。下落局面では海外勢の売りを吸収してきた国内勢の買いも、ここから上値を追うことは想定しづらく、戻り余地に慎重な見方も必要だ。

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