「日経平均2万円割れ」の懸念は消えたのか ドル安円高は1ドル=105円を超えて進むのか
日米株価の調整が進んだ。NY(ニューヨーク)ダウ工業株指数は2月9日(金)のザラ場安値2万3360ドル、日経平均株価は2月14日(水)の同2万0950円で、底値を形成した可能性が高い。
それぞれの安値が、振り返ってみれば今年の最安値であった、ということになると考えているが、もちろん、その水準を割り込んで安値を更新する可能性はゼロではない。ただその場合でも深く大きく割れる公算は薄そうだ。したがって両指数は、ずばり底値でないとしても、底値「圏」を形成したと判断している。
米株価下落の「本質」は、買われ過ぎからの「正常化」
今回の世界的な株価下落は、米国発だった。そして米国株価がなぜ下落したかと言えば、当コラムで繰り返し述べてきたように、米国経済や企業収益が悪化したわけではなく、実態と比べて買われ過ぎていた株価が、適正な価値に向かって「正常化」したためだ。
米長期金利の上昇は、株価の買われ過ぎが解消に向かうきっかけではあったが、逆に言えば、きっかけに過ぎなかったとも言える。米10年債利回りは、これまで上昇が鈍かったことが異常だった。
好調な米経済指標等に照らしてみれば、10年債利回りは3.5%程度でもおかしくはなく、現在のような2.9%前後の水準自体は、問題ではない。景気が強いからこそ、金利が上昇したわけだ。そう考えれば、2.6%近辺から2.8%強に長期金利が上昇した際に、株式市場から債券市場に資金が流れると大騒ぎして株価が下落したのに、ここ数日は長期金利が2.9%を超え2.94%にまで一時迫る動きをしたにもかかわらず、米株価が平然と上昇したことも、うなずける。
では、その米株価下落の「本質」を考えるうえでの、「買われ過ぎ」や「適正な価値」をどう判断するかというと、これも当コラムで述べたように、予想PER(株価収益率)でみるべきだと考えている。
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