中野:そういうデイトレーダーもいるでしょう。
藤野:これからのマーケットは、少なくとも適温相場ではなくなったと考えています。おそらく高温相場になるのでしょうね。景気は過熱ぎみになり、物価の上昇圧力が強まり、株価のボラティリティも上がってくる。おそらく、財務状況が悪い企業、収益力のない企業にとっては厳しくなってくると思います。その結果、銘柄の選別が難しくなっていくでしょう。こういうときは、借り入れなどでレバレッジを利かせた経営を行っている会社は、大変だと思いますよ。どことは言いませんが。
中野:いずれにしても、やりすぎということでしょう。完全雇用の状況下で財政のバラマキなんて、ありえない話です。
日本企業はバブル時に比べて相当強くなっている
渋澤:その体温計が米国の長期金利であり、その体温計で見たところ、今の米国経済は微熱といったところでしょう。
中野:米国の長期金利が3%に達してからどうなるのか。いろいろネガティブな要因が噴出するのではないかと懸念します。
渋澤:ただ、日本企業はそれほどレバレッジを掛けた経営、つまり、過度な借り入れをしていないので、影響は受けにくいのでは。
藤野:相対的に日本企業の強さが際立っているのは事実です。経常利益の総額は平成バブル期の2倍。ただ、バブルの時、日本企業は借り入れを増やしていて、経常利益の3割は水増し分でした。
しかも借り入れコストは年5~6%で、それを「財テク」なんてものに回していたわけです。だからバブル期の日本経済は、実はそれほど強くなかったと考えられます。
それなのに、当時の日本企業のPER(株価収益率)は50~60倍でした。対して今は、ほとんど借り入れをしていないので、財務体質は「超健全」と言ってもいいくらい。利益は過去最高で、キャッシュもふんだんにある。日本企業の稼ぐ力は極めて高く、PERは15倍程度です。
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