「品格に問題がある」上司に苦しむ部下の叫び 陰口・噂話が大好き「性悪上司」の傾向と対策

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上司たるもの、仕事ができるだけでなく、人間としても立派で尊敬できる人であってほしい、という私たちの期待の高さゆえか、何かの拍子にこういったコミュニケーションを見ると、がっかり感もひとしおになってしまうのかもしれません。

想像ですが、あなたはきっと、聞き流そうとすればするほど、余計に聞き流せなくなり、上司への幻滅感を深めてしまうような気がします。求められているアドバイスと違ってしまいますが、できれば上司に変わってもらいたいものですよね。

業務上で知り得た情報を適切でないシーンで話す人

ただ、「情報が漏れる」問題については、上司が、把握した部下の情報を業務上で共有したり活用したり、といったことは、ある程度あるものという前提でいたほうがいいと思います。もちろん、心ある上司ならば、きっと必要に応じて、必要な形に加工して限定的に、取り扱っていることでしょう。それでも、関係性を考えれば、いくら信頼している上司にでも、そもそも「誰にも言わないでほしい」という話はしないほうがいい。

もし、そう心掛けたうえでも、必要以上に周囲に漏れている、陰で何か言っている、ということが起こるとしたら……。それはその上司、あるいは情報を知った相手が、適切に情報を取り扱っていないからでしょう。

そういう人たちは、「人として」やっかいです。必要に応じて、でなく、必要でない場面で必要でない人に、面白おかしく情報を共有する人。業務上で知り得た情報を適切でないシーンで話してしまう人。これは、あなたの言うとおり、「ダメなものはダメ」だと私も思います。

こういう上司は、私の経験では、「誰よりも部下たちのことをよく把握している」「部下にこういう言い方をしても許されるくらい信頼されている」と思い込んでいるタイプか、あるいは、全体の受けを狙っては個人をダシに使ってしまうタイプの人か、に分かれるように思います。

前者は、「部下の情報」を“できる自分”のアピール材料にし、後者は単純に周囲の受けを狙っているアホな上司です。「下品な人」と思われても仕方ないと私は思ってしまいます。私は、あなたの上司は、前者でもあり後者でもある強者とお見受けしました。さらに、いちばん懸念されるのは、こういう上司が扱う話は概してネガティブで、内容も盛られている場合があり、誰かをとても傷つけてしまうリスクがある、ということです。ハラスメントに通じる危険もあります。やはり、「キャラ」では済まないと私は思います。

かつて私も、後者タイプの上司の下にいたことがあります。具体的には、スピーチの「つかみ」に、「誰かひとりを取り上げ、落とす話題」で笑いを取ろうとする人でした。

みんなはただ笑っていたり、あるいは苦笑い程度なのに、私はなんだか嫌で嫌でたまりませんでした。こういうコミュニケーションで人の気持ちをつかもうとする上司なんて下品でサイテー!という心境。こうなると、仕事も含めてその人のすべてを否定する気持ちになっていたくらいです。

次ページ直球で相手を責めるだけではなんの解決にもならない
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