他の違いとしてはミニゲームがPS4では隅々まで美しいロトゼタシアと呼ばれるゲーム内の世界を探索できる「ボウガンアドベンチャー」、3DSでは、すれちがい通信を利用した「時渡りの迷宮」と、機種の特色を活かし、異なるものを用意するなど、同じタイトルのソフトでありながら、まるで異なるゲームであるかのようなプレイ感の作品である。ドラクエファンの中にはPS4版と3DS版、両方をプレイして違いを楽しんでいる人も多い。
なお、僕はPS4版をプレイしたので、記事の記述はPS4版についての話であることを、あらかじめお断りしておく。
基本的には一本道のRPG
システム面の話をすると、ドラクエXIはストーリー重視のコマンドバトル式RPGである。
日本ではドラゴンクエストシリーズがRPGというゲームジャンルを広めたために、むしろ「RPGとはドラゴンクエストのようなゲーム」という印象が強い。なのでいまさら「ドラクエXIはストーリー重視のコマンドバトル式RPGである」などと書くのもおかしな感じがする。
ただ、ゲームが進化するにつれて、単純に「RPG」というだけではゲームジャンルの説明には足らなくなっている。
特に、もともと本場である海外でのコンピュータRPGの進化速度は相当なものである。特に昨今では「オープンワールド」というゲームがはやっている。
オープンワールドとは用意された箱庭の中にさまざまな「できること」が散りばめられ、基本的にはどこにいって何をしてもゲームが破綻しないようになっている。
オープンワールドには本当にメインのストーリーが存在せず、どのように何をしてもいいというゲームもあるが、ゲーム性を高めるためにメインのストーリーが用意されるものも多い。
RPG特有のストーリー重視や成長の要素は、オープンワールドとも相性がよく、「オブリビオン」や「スカイリム」などのタイトルがよく知られるファンタジー世界を扱った「The Elder Scrollsシリーズ」や、核戦争後のポストアポカリプスを舞台とした「Falloutシリーズ」などのオープンワールドRPGは、世界中でプレイされている。以前にこの連載で取り上げた「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」も、このタイプのRPGである。
一方で、ドラゴンクエストシリーズは、基本的には一本道のRPGだ。Aの街でクエストをクリアするためにBの洞窟へ行き、それをクリアすると次はCの街へ行くというようにデザインされている。こうしたシステムは良く言えば伝統を守っている、悪く言えば全体的にクラシカルなシステムであり、古いゲームとして認識されつつある。
とはいえ、ドラゴンクエストシリーズもただクラシカルであることを引き受けているわけではない。2012年8月に発売された「ドラゴンクエストX(10)」はドラゴンクエストシリーズ初のオンラインRPGとしてリリースされ、今なお新しいストーリーが提供され続けている。
ドラクエ10は、かつてのドラゴンクエストが日本にRPGというジャンルを広めたように、オンラインRPGを広めることを意識して作られている。
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