月4万円のパート主婦を追い詰める夫の言動 妻が「大好きだった」と表現してしまう理由
ここに登場する「つとむさん」は、子どもが生まれるまでは非常に気の利く、素敵な夫だったようだ。仕事熱心で人望も厚い。振る舞いも紳士的で
「大好きだった」とある。
だった……(過去形)
家計の状況から働くことを推奨し、主人公の「私」もパートに出る。そしてパートの収入と保育園の費用に消える。体力は消耗する。子どもが熱を出せば働けず、収入は下がる。それでもフルタイムではない働き方によって生まれた時間で家事・炊事をすべて担う。
これまで担っていた時間は仕事で圧迫されたにもかかわらず、少なくなった時間でこれまで通りのタスクをこなす。これは消耗する。家事・炊事の質が落ちるのも無理はない。というかそれが自然。
そんな構造を知ってか知らずか、つとむさんは以前と同じ生活を求め、質の維持を要求し、さらに収入の低さによって、自分と妻は対等の立場ではないと言い放つ。
「大好きだった」
という言葉も頷ける。さて、ここでいくつかの疑問が残る。
もし「私」が倒れてしまったらどう行動する?
もし、「私」の年収がつとむさんの年収を越えた場合、彼はどのような態度を取るのだろうか。
もし、家事・炊事も仕事である「家事労働」という考え方がつとむさんに芽生えた場合、彼は「共働き」とは何かを改めて考えるだろうか。
もし、「私」が倒れてしまい、「私」が担っていた子育て、家事・炊事をすべて背負ったとき、彼はどのような行動をするだろうか。
私自身がどれくらい妻にとって、「共働き」家庭をする夫として点数をもらえるのかはわからないが、少なくともつとむさんの境地にはたどり着けそうもない。
改めて、本当につとむさんのような男性が、現代日本社会に存在するのかがわからない。どこにいるのか教えてほしい。
マンガ新聞の関連記事
不安と悩みに押しつぶされ、なぜ生きるのかが見えない貴方への一冊『ここは今から倫理です。』
堀江貴文が『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』を読んで思うこと。
欲望うずまく芸能界と、それに群がる女性たちのリアル体験談『15歳、プロ彼女~元アイドルが暴露する芸能界の闇~』
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら