「脳の記憶補助装置」が人の生き方を変える ナレッジスイート社長ロングインタビュー
稲葉:平たく言えば、成績を上げたい営業マンの視点なんです。「ナレッジスイート」には他の人の営業プロセスも記憶されているので、誰でもそれを真似することができます。たとえば新卒の営業マンなら、自分で知識や経験は持ち合わせていなくても、検索やGPS位置情報を通じてすぐに先輩の知見が探し出せるし、先輩の営業プロセスを知ることができる。だから新人や若手も、すでにある知見を活かして効率をあげようという視点を持ってさえいれば、安定的に成績を上げることができます。
村上:顧客を管理するというCRMの発想よりも、営業職のユーザーが顧客に対して発揮する価値を上げられるようにするという発想なんですね。一方で、もう1つの主力サービスである「GEOCRM」も、管理的な思想が強い商材に見えてしまいますが、違うのでしょうか?
営業社員の味方、「ナレッジスイート」と「GEOCRM」
稲葉:いや、「GEOCRM」も逆の発想なんです。営業マンを管理するのではなく、営業マンが使えるツールを提供する。たとえば、街なかを歩いてると「100m先にあなたの管理顧客がいますよ」や「200m先に3ヶ月訪問してない管理顧客がいるのを覚えていますか?」といったポップアップが出ます。それだけでなく、「1キロ先にチームメンバーの管理顧客で6ヶ月訪問してない顧客がいますよ」や「600m先にまもなく競合製品の契約満了を迎える潜在顧客がいますよ」といった踏み込んだ内容の通知も出る。自分の記憶に加えてチームの記憶も共有されており、自分が直接関わっていない顧客の場合でもプロセスが記録されているので、他の営業マンの代わりに客先に顔を出すことも簡単にできるようになるんです。
村上:私も営業をやっていましたから、それがどういった効果があるかはわかる気がします。
稲葉:自分が忘れていた記憶も全て呼び覚ますんですよ。人間の記憶からは消えてしまうビジネスノウハウだとか、お客様との関係、名前、それを全部クラウドで共有することによって、自分の能力を高められる。「ナレッジスイート」と「GEOCRM」を通じて、それをシステマティックに実現しようとしているんです。