freeeがマネーフォワードに敗れた根本原因 「自動仕訳機能」を巡る特許裁判の教訓とは?

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訴えたfreeeの佐々木大輔氏(左)と、訴えられたマネーフォワードの辻庸介氏。マネーフォワードが勝利を収めた(撮影:尾形文繁)

8月10日、日本のフィンテック業界を牽引してきたベンチャー同士の全面対決として注目を集めた、freee対マネーフォワードの特許訴訟が、マネーフォワード勝訴という形で決着した。

この訴訟は、2016年10月にfreeeがマネーフォワードを相手取り、特許侵害で提訴していたもので、7月27日に1審東京地裁はマネーフォワード勝訴の判決を下した。

このため、freeeが控訴するのかどうかが注目されていたが、控訴期限の今月10日、freeeが「マネーフォワードとの協議の結果、控訴しないという判断をした」(freee広報)ため、マネーフォワードの勝訴が確定した。

特許の専門家も注目していた

この裁判にはソフト開発で勝負するITベンチャーが関心を示していただけでなく、特許の専門家も注目していた。

7月27日、マネーフォワードは1審東京地裁での勝訴を伝える会見を開いた。左から坂裕和執行役員管理本部長、辻庸介代表取締役CEO、代理人の久保利英明弁護士、上山浩弁護士(筆者撮影)

従来、ソフトウエアの特許侵害訴訟で侵害を立証するには、立証責任を負う原告が、相手方のシステム設計やソースコードといった、いわば社内機密に匹敵する情報を入手する必要があった。

あまりにも高いハードルゆえに、内部告発者が現れるなど、よほどのことがなければ原告に勝ち目はないとされてきたのだが、そのソフトウエア訴訟の運用ルールが、立証ハードルを下げる方向へ転換される動きがある中での訴訟だったからだ。

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