「第一生命」がプロゴルフ界と手を繋いだ理由 日本プロゴルフ協会との面白いコラボを発表

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第一生命としても、これまでテニス、ランニングなどのイベント開催などはあったが、より高齢者や子どもでも取り組みやすいゴルフというツールを活用することで健康増進につながるとみている。「保険加入者が健康になってくれれば、入院給付金や成人病の給付金などを減らせる」と稲垣社長はいう。

2016年度の保険金・給付金・年金支払総額は、同社HPによると、死亡・高度障害・特定疾病等保険金4375億円、入院・手術等の給付金1268億円に、満期保険金・生存給付金・年金等1兆1057億円を加えると1兆6701億円になるという。保険金、給付金の支払いを少しでも先に延ばしていくのも、これからますます進行する高齢化社会においては保険会社としての大きな課題なのだろう。

ゴルフを始めたからといってすぐに健康になるとはいえないし、すぐに新規ゴルファーを万単位で創出できるとは思わない。それでも、お互いに「何かとっかかり」ができたことは確かなようだ。2015年に「ゴルフ市場再活性化への提言書」をゴルフ界に提示した倉本会長は「ずっと(具体的に)できなかったのが、ようやく1つできてきた」という。

PGA会員をどう巻き込んでいくか

「生涯スポーツ」としてゴルフを推進するPGAと、「一生涯のパートナー」をミッションとする第一生命。「生涯」というキーワードは一致している。あとは、この連携をどう生かしていくか。

PGAの側からいうと、19試合行われるシニアツアーのほか、PGAが関わるトーナメントの入場券を生保レディの営業ツールに使ってもらうことはすぐにできそうだ。ゴルフ場を生保レディの営業の場、第一生命の拠点を新規ゴルファー勧誘の場にすることも可能だろう。ゴルフのエチケットやマナーを基にしたセミナーなども含め「会議室でゴルフを知ってもらう」(倉本会長)機会もつくれるだろう。

問題は、全国にいるPGA会員がどう反応し、参加するか。これまでも、PGAが流す情報に対して「手ごたえがない」(倉本会長)という、さめた部分がある。これをチャンスととらえる会員が増えないことには「連携」にならなくなる。

生保レディとプロゴルファーがどう手を取り合っていけるか。

赤坂 厚 スポーツライター

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あかさか あつし / Atsushi Akasaka

1982年日刊スポーツ新聞社に入社し、同年からゴルフを担当。AON全盛期、岡本綾子のアメリカ女子ツアーなどを取材。カルガリー冬季五輪、プロ野球巨人、バルセロナ五輪、大相撲などを担当後、社会部でオウム事件などを取材。文化社会部、スポーツ部、東北支社でデスク、2012年に同新聞社を退社。著書に『ゴルフが消える日 至高のスポーツは「贅沢」「接待」から脱却できるか』(中央公論新社)。

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