脳梗塞で人生に絶望、何が彼を救ったか?

介護とは「生きててよかった」瞬間の創造だ

介護になってからこそ必要な「生きる意味」(写真:筆者提供)

介護をしている方の苦労話を聞いていると、介護のことを「下の世話」くらいに考えている場合があります。実際に、認知症になった親が、自分の糞便を投げたり弄んだりする(弄便)のを見るのは、精神的にきついものです。

しかし私たちが、介護を「下の世話」だと考え、それが10年以上もの長期間にわたって続くことになれば、どうしても心が折れてしまいます。ですから、外から見れば同じ介護でも、長期的に頑張れる人と、短期で折れてしまう人の違いを理解する必要があります。

ビジネスでも同じことですが、大事なのは、対象となる仕事に対して自分なりの意義(信念)を持っているか否かです。もっとはっきり言えば、なんのために「下の世話」までしているのかという理由を自分なりに持っている場合と、持っていない場合で、私たちの介護との関わり方は大きく変わるのです。

脳梗塞で倒れたAさんの例

ここでぜひ、多くの方に知ってもらいたいAさんの介護事例があります(写真も含め、ご本人、ご親族より掲載の許可を得ています)。

Aさんは18歳から45年間、ずっと同じ会社に勤め、仕事帰りには行きつけの飲み屋(新橋)で飲んで帰るのが日課でした。結婚する暇があるなら神輿を担いでいたほうがよいと、仕事が休みの日は担ぎ手として日本全国を飛び回っていたようです。また、Aさんご自身も、50代のときに実母の介護をしています。仕事と介護を5年間両立させ、自宅で実母の最期を看取っています。

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