明治時代の法律を引きずる日本の「生産性」 「時間給」思考一辺倒ではもはや通用しない

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まず、「生産性を上げろ!」と叫ぶだけでは単なる精神論になってしまいます。重要なのは組織として効率よく働く環境を整え、個人として最大限パフォーマンスを発揮することです。前提として、業務量が多すぎたり、無駄な業務がある場合には生産性を上げることもできません。

たとえば、日本企業に勤めていると、隣の席の人が休んだ場合にその仕事を手伝うといったことを体験したことはないでしょうか。日本の働き方は、職務の範囲が不明確であるという特徴があります。しかし、「生産性向上」を考えるのであれば、まずは個人個人の業務の棚卸しを行い、「今、何をやっているのか、またやるべきなのか」を一人ひとり明確にする必要があります。たとえば、業務を以下の5種類に分けます。

①廃止する業務

②外注(アウトソース。非正規雇用を含む)する業務

③機械により自動化する業務

④機械により効率化する業務

⑤正社員として集中すべき業務

自分の業務を棚卸ししてみると、思いの外「こんなことで時間を使っていたのか!」(会議の日程調整や上司の承認待ちのための居残り、客先からの回答待ちなど)ということがわかることがあります。正社員として集中してやるべき業務とそうでないものを峻別して効率化することが重要になるでしょう。

オフィスインフラを整えるという基本

そして、「生産性向上」をうたうのであれば、そのためにできるIT投資を怠ってはなりません。最近はAIという言葉をさまざまなニュースで見ますが、AI・ビッグデータなどというレベルの高い話以前に、そもそもPCが古い、OSが「Windows Vista」のままになっている、プリンター・スキャナーの数が少ない、ネット環境が不十分、モバイル機器がそろっていない、必要なソフトウェアがないなど、IT投資で改善できる部分を放置している会社が散見されます。

まずはこれらのオフィスインフラを整えるのが優先です。リーマンショック以降の「コスト削減」によりIT投資を控えていた企業は多く見られますが、働き方改革を実行するうえでは、従業員に効率化を求める前に、まず企業のインフラに投資すべきでしょう。

その次の段階は機械により業務プロセスを自動化するRPA(Robotic Process Automationの略)の導入が考えられます。たとえば「このサーバーの中のこのファイルにあるこのデータを毎月取得して、○○に貼り付けて、足し算して、平均値を出す」という定型作業であれば、一度機械に覚えさせれば以後は自動化することができます。このような技術は日々更新されていますので、最新のテクノロジーに対する取り組みもつねに考えていく必要があります。

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