優秀な人が陥りやすい「無意識の忖度」の罠 境界条件を外せば「必ずできる」に近づく
高い目標や難問を前にしたとき、組織の中で優秀と見なされている人ほど、自社の前例や慣習、さらに上司や他部署の都合を忖度し、その結果、次に挙げるような「できない理由」に縛られてしまう。
・資金が足りない、人材がいない、時間がない(からできない)
・前例がない、過去に否定された(からできない)
・他部署との軋轢が生じる、自部門のリスクになる(からできない)
「経費節減が命じられているから、おカネも人手も使えない」「社長がやらないと3年前に言っていたから(できない)」「この分野は隣の事業部の取り組みと重なることだから(邪魔になってはいけない)」……。
組織の中にはさまざまな境界条件が存在している。やっていいことと、いけないこと。やらなくてはならないことと、そうではないこと。これらが明示的にも暗示的にも存在し、1人ひとりにとって「できない理由」になっている。
「できない理由」を考えてはいけない
企業という組織では、前例を踏襲して上司から評価された人が昇進することが多いだろう。そうやって課長になったら、自分を評価してくれた部長には逆らいにくい。「部長の教えてくれたとおりのやり方」を踏襲し、守っていくのが、組織の中では「愛い奴(ういやつ)」なのだ。
もちろん、「これまでとは違う、新しいやり方をする!」という課長だっているだろう。そうした人物は、上司や先輩たちの目には「自分たちのやり方に挑戦する者」と映ることがある。上司や先輩たちにしてみれば、新しいやり方を主張されることは、ずっと守ってきたやり方、すなわち「自分の成功パターン」を否定されるようなものかもしれない。
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