優秀な人が陥りやすい「無意識の忖度」の罠 境界条件を外せば「必ずできる」に近づく
たとえば、あなたの会社で販売チャネルについて、「うちの会社の商品は、子会社である販社経由でしか売らないことになっている」という決まり(境界条件)があるとすれば、それを外して自由に考えてみる。
「どんな販売チャネルも使えるなら、社として初めての直販も、大手卸経由も、ネット販売も選択肢となるな」とアイデアを広げて、より高い目標の実現を目指すのだ。
頭の中で検討しているだけなのだから、リスクもないし反対意見も出ない。「あれもできる」「これもできる」と面白がりながら発想していこう。
「面白がりながら考え、発想を広げる」のは案外難しい
ところが「面白がりながら考え、発想を広げる」というのは、案外難しい。
「いきなり新しい取り組みを3つも同時に行なうのはリスクが高すぎる。1つに絞ろう」
「想定される投資や経費を考えたらインターネットだけを試すのが現実的だろう」
「直販を提案したら、営業本部長の猛反対に遭うのは見えているな」
境界条件が染み付いているゆえに、自分の頭の中でさえ、忖度をしてしまうのだ。
検討する段階で境界条件を忖度するというループにハマると、発想の新鮮さ、自由さ、広がりはたちまち消える。考えることを面白がるどころか、分析と否定に終始する「アラ探しの達人」に逆戻りしてしまう。
最後の意思決定は別のプロセスでやるべきことだし、場合によっては経営陣や上司など、別の人が判断すればいい場合もある。
境界条件を広げないと高い目標は達成できない。ニワトリとタマゴのような関係であり、理不尽なくらい高い目標を立てる(参考:前回記事「優秀でも『なぜかできない人』の目標の立て方」)と、境界条件も広げざるをえなくなる。これに伴い、発想も大きく広がってくるものだ。
理不尽なまでに高い目的・目標を目指す「ストレッチ思考」と、必ずできると信じて面白がる「メイクイット思考」を組み合わせて考えることで、境界条件を外すトレーニングを続けていこう。
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