残念なリーダーがわかってないチームの本質

仲良しグループで終わらせない5つの共感力

創業して数年。「自分は社長に向いていないのではないか」と悩んでいる創業社長の林忠義さん(仮名)がいました。

組織に仲良しグループはいらない

林さんは起業当初こそ個人事業主のような一人会社の状態で、人材の重要性をさほど意識していなかったものの、陣容が拡大するにつれて、人材選びで何度も失敗していました。そのうち、「人材」を育てることの重要性に気がつき、指導に熱を入れます。ところが、熱を入れれば入れるほど、思うように動かない部下に対して、怒りの感情が爆発してしまい、経営者との気持ちの温度差から、辞めていくスタッフが後を絶たなかったそうです。

林さんは1人のリーダーを決め「チーム」を組ませてみました。最初こそチーム内で仲良くやっていたものの、気づくとチームは仲間割れ。当時、多忙を極めていた林さんは「もう人事がらみで面倒なことにかかわりたくない」との気持ちが強く、見て見ぬふりをしていたそうですが、その仲間割れはどんどん拡大し、取り返しがつかないほど社内の雰囲気が険悪になってしまったとのことでした。

こうした失敗は、なにも林さんだけではなく、小規模な会社の経営初期段階ではよくある事例です。一方、こうした経験を乗り越えた経営者は、林さんの採った戦略が適切ではなかったと知っています。それは林さんがつくったのが「チーム」ではなく「グループ」だったからです。

創業まもない経営者にありがちなのは、チームとグループの違いを理解していないことです。同じ組織に属しているからといって、必ずしも「チーム」とは限りません。一見、同じような意味合いにとらえられがちの言葉ですが、チームとは1つの目的に向かって一致団結して協力し合う統率のとれた組織を指し、グループとはそれぞれがバラバラの方向を向いている単なる集まりにすぎません。そのため、グループとチームには圧倒的な差が生じてくるのです。

このことを林さんにお伝えしたところ、「恥ずかしながら、今の今までそのことにまったく気づけませんでした。私は、学生時代に運動をしていたわけでもなく、会社員時代もどちらかというと自分の成績さえよければいいという、個人プレーだっだかもしれません」という答えが返ってきました。

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